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水那岐さんのあらすじ: 更新順

★3皇帝と公爵(2012/仏=ポルトガル)1810年。仏軍の侵攻にポルトガルは屈したかに見えたが、それは英軍将軍ウェリントン(ジョン・マルコヴィッチ)の罠であり、仏軍は一気に勢いを失った。彼らに抗しポルトガルを死守してきた連合軍の中にあって、軍曹フランシスコ(ヌヌ・ロペス)は倒れた戦友の亡骸をその妻モーリーン(ジェマイマ・ウェスト)に見せ、彼女の心の痛みを受けて愛情を募らせる。そして行方不明の妻を捜す従軍宣教師のヴィセンテ(フィリッピ・ヴァルガス)や、仏軍を逃れる傷病将校アレンカル(カルロト・コッタ)は戦場を彷徨う。本作はラウル・ルイスにより企画され製作されるべき一篇だったが、その逝去によりバレリア・サルミエントに監督を任された。〔152分〕[投票]
★3鉄くず拾いの物語(2013/ボスニア・ヘルツェゴビナ=仏=スロベニア=伊)少数民族ロマのナジフ・ムジチは、先の戦争に従軍しながら全く報奨金を貰うこともなく、仕事すら与えられず屑鉄拾いの生活を送っている。それゆえ、妻のセナダ・アリマノヴィッチにも報いられず、ふたりの娘たちにも楽しみといえばテレビくらいしか与えられなかった。ある日、セナダが出血を伴う激しい腹痛をおこし、ナジフは自動車で彼女を遠い街の病院へと移送する。その結果、セナダが身篭った三人目の子供はすでに死んでおり、それゆえの異常事態と判った。ナジフは力を振り絞った労働の対価を病院に届けるが、手術代には遙かに足りない、と病院側は彼らの依頼を拒絶する。ダニス・タノヴィッチ監督が母国の絶望的な現状を抉るセミドキュメント。〔74分〕[投票]
★3旅人は夢を奏でる(2012/フィンランド)ピアニストのティモ(サムリ・エデルマン)が演奏会より帰宅してみると、見知らぬ酔っ払いがドアの前で眠っていた。彼はレオ(ヴェサ・マッティ・ロイリ)、35年ぶりに姿を見せたティモの実父であった。陽気だが傍若無人な彼にティモは切れかかるが、乗りかかった舟でふたりドライブに出かけることに。しかしそれは、予期せぬ人生の旅であった。存在も知らなかった腹違いの姉ミンナ(マリ・ペランコスキ)、認知症の祖母のもとを転々と渡りゆき、騒動のなかで次第に息子の心は父に寄り添う。だが、レオの頼みで自分の前妻ティーア(イリーナ・ビョークルンド)を訪ねるティモを置いて、レオは最後に出会うべき人物のもとに向かうのだった。〔115分/スコープ〕[投票]
★3殺人者を消せ(1964/日)平穏無事なニッポンにおさらばし、傭兵となって海外の戦場に身を躍らせようとした早川(石原裕次郎)は呆気なく密航罪で投獄された。そんな彼に面会を求めた男、佐竹(小池朝雄)は安心して外国に渡航できる代償として、早川にとある倉庫会社の若社長になりすまし、一ヶ月を過ごしてほしいと求める。渋々承諾した早川を待っていたのは彼の正体を疑う婚約者の百合(十朱幸代)と、そして会社乗っ取りを目論む沖専務(高松英郎)以下の上層幹部たちだった。幹部たちはすでに社長一族の3人を暗殺、その次男に化けた早川の命をも狙って牙を研いでいたのだ。だが、危機を摺り抜ける早川の前で幹部たちは謎の惨死を遂げてゆく。真相はいずこに!?〔94分/スコープ〕[投票]
★2銀座旋風児 黒幕は誰だ(1959/日)銀座旋風児こと二階堂卓也(小林旭)は、日本開拓公団の汚職を追って神戸に向かっていた。彼の乗った列車から逃亡を図った男、加川(雪丘恵介)は殺し屋にとどめを刺されるところを卓也に助けられ、精巧なニセ札を作らされていた印刷工としての身の上を告白する。卓也は東京に舞い戻ると、疑っていた公団理事長の腰林(安部徹)の身辺を洗うべく、協力者である飲み屋のお春(南風夕子)を料亭「きらく」に潜入させる。果たして腰林は「黒幕」とともに闇の事業の密約を交わしていた。卓也は助手の政(宍戸錠)や明子(浅丘ルリ子)とともに動き出すが、同時に獄中の加川に危機が忍び寄っていた。マイトガイシリーズ第2作。(73分/スコープ)[投票]
★3素ッ裸の年令(1959/日)サブ(藤巻三郎)は高校進学を目指す真面目な少年だったが、理解なく貧しい環境にあって不良たちの一団におさまっていた。バイクを駆ってカツアゲを働き、米軍基地の片隅にある旧兵舎を根城に、リーダーの健(赤木圭一郎)のもと分け前を分配しあう彼ら。サブはそんな生きかたに疑念を持たなかったが、健は新聞記者(高原駿雄)に部下たちの武勇談をバラし、興味本位の記事を書かせて収入を得ていた。それでも、何も知らないサブは姉貴分の陽子(堀恭子)に思いを寄せ、ささくれ立った心をクズ拾いの爺さん(左卜全)の話に癒されるのだった。そしてある日、仲間が100万円の危険物運びの仕事を引き受け、健はトラックのハンドルを握る。〔白黒/54分〕[投票]
★2関東破門状(1971/日)浜野組の若衆頭を務めた寺田(渡哲也)は、義理により叔父貴分を殺害し破門状を下された。だがその命を、長野をまとめる兄貴分・中桐(佐藤慶)に拾われ客人として迎えられる。そして元寺田組の鉱二(郷えい治)ら子分、寺田の恩人の妹・玲子(丘みつ子)らは中桐の資金提供でスナックを経営、堅気として働くようになった。一方、寺田の恨みを買った総長代理・長谷川(山本麟一)は彼を早々に始末すべく、中桐と敵対する神崎(曽根晴美)を使って陰に陽に挑発を重ねる。資金の借用書を金融会社より奪い、スナックを脅迫する神崎の前に寺田は立ち塞がる。中桐もまた長谷川の計画と知りつつ挙兵するのだった。関東シリーズ第3作。〔85分/ワイド〕 [more][投票]
★2波涛を越える渡り鳥(1961/日)幼い頃東南アジアで兄と生き別れた、渡り鳥こと滝伸次(小林旭)。そんな彼を南国に呼び寄せたのは、眼前で貿易商・松本(小高雄二)を襲った香港のギャング、ジェラール(藤村有弘)が落とした兄が持つはずのネックレスだった。狙われた松本の持つ地図の謎を暴くべく、滝はバンコクへ飛ぶ。そこに待つ松本の妹・則子(浅丘ルリ子)とともに、事件の核心に踏み入ろうとする滝だったが、執拗にジェラールは妨害を働く。さらに百発百中の腕前ながら人命を奪うことを嫌うガンマン、ラオスの虎(宍戸錠)も立ち塞がる。そして虎の情婦サーヤ(白木マリ)は、彼に纏わるある謎を隠していた。東南アジア・ロケを敢行した渡り鳥シリーズ第6作。〔79分〕[投票]
★4ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(2013/米)高速道路上を徒歩で歩き、はるかネブラスカまで向かおうとした老人ウディ(ブルース・ダーン)。息子デイヴィッド(ウィル・フォート)に語られたその行動の理由は、そこの雑誌社から届いた「百万ドルを進呈する」とのインチキDMであった。母ケイト(ジューン・スクィッブ)は父の信じやすい悪癖を嘆き、デイヴィッドに彼を止めてくれと懇願するが、その思い込みの激しさを止める術などはなく、父子の自動車旅行は幕をあけた。その途上、ウディの故郷ホーソーンに立ち寄ったふたりだったが、口止めも虚しくウディは昔馴染みのエド(ステイシー・キーチ)らに賞金の話を洩らし、小さな町は「百万長者ウディ」の噂で沸き返るのだった。〔115分/白黒〕[投票]
★4それでも夜は明ける(2013/米)19世紀。ニューヨークの自由黒人ソロモン(キウェテル・イジョフォー)はヴァイオリニストとしての名声と妻子に恵まれ、なに不自由なく暮らしていた。そんな彼にワシントンでの演奏の話が舞い込むが、それは興業師の罠であり、眠っているあいだに奴隷制が現存する南部へと運ばれる。鞭打ちで奴隷の心得を叩き込まれたソロモンは、農園主フォード(ベネディクト・カンバーバッチ)に買われることで奴隷としての第一歩を踏み出すに至った。聡明なソロモンはフォードに寵愛されるが、大工ティビッツ(ポール・ダノ)に憎まれ縛り首にされかかる。彼に殺される前にと、フォードはソロモンを大地主エップス(ミヒャエル・ファスベンダー)に転売するのだった。〔134分〕[投票]
★3さよなら、アドルフ(2012/豪=独=英)第二次大戦後。ナチの高官たる父(ハンス・ヨハン・ヴァークナー)とその妻である母(ウルシーナ・ラルディ)は、娘ローレ(ザスキア・ローゼンタール)をはじめとした五人姉弟を残して連合軍本部に出頭し、二度と帰ることはなかった。ただ北に住む祖母(イーファ・マリア・ハーゲン)を頼ってゆけと言い残して…。ローレたちが気づいたことは、理想のもと一丸になって勝利へ向け邁進していたはずのドイツは、単なる幻想だったということだ。彼女らは物乞いをしながら旅を続けるが、沿道の人々はあまりにも冷たかった。その中でひとりの青年がローレに近づき、姉弟のため力を貸してくれる。彼はトマス(カイ・マリーナ)、ユダヤ人だった。〔109分/ヴィスタ〕[投票]
★3マイヤーリング(1957/米)オーストリア・ハンガリー帝国。皇帝フランツ・ヨーゼフ(ベイジル・シドニー)の厳しい執政を受けて、自由主義勢力の萌芽が片っ端から摘み取られていた時代のこと。皇太子ルドルフ(メル・フェラー)は父に真っ向から対立し、民主主義者たちと交流、また夜毎に行きずりの女たちとの交情に溺れる生活を送っていた。だが、自分に纏わりつく女に純粋な愛情などない、との彼の諦念を覆したのが、偶然出逢った外交官令嬢マリー(オードリー・ヘプバーン)であった。美貌のマリーは、またその打算を疑うルドルフに純情を捧げる無垢な娘でもあったのだ。しかし、接近するふたりを阻む首相(レイモンド・マッシー)足下の記者たちが暗躍し始める。〔75分/白黒〕 [more][投票]
★2赤い荒野(1961/日)中国地方の大平原。旧友矢崎(小高雄二)が営む牧場に、風来坊エースのジョー(宍戸錠)が7年ぶりに姿を現わした。だが、彼を出迎えたのは矢崎の妻・咲江(南田洋子)とその幼い息子のみであった。恩人の娘である咲江が、行方知れずの夫が重ねた借金で苦しんでいるのを知り、ジョーは大牧場の主である奥井(東野英治郎)に土地の間借りを申し出るが、人間不信の奥井はけんもほろろに追い返す。そんな奥井の娘である和子(笹森礼子)の助言により、かろうじて彼らは牧場での仕事を得るのだった。時を同じくして、ジョーらの仲間であったやくざ瀬川(内田良平)が刑務所暮らしから舞い戻った。矢崎とジョーへの復讐心のみを抱いて。〔85分〕[投票]
★3帰らざる波止場(1966/日)帰国したピアニストの津田(石原裕次郎)は知らずに麻薬密輸の片棒を担がされ、その上に自ら情婦を殺すことで三年の実刑を食らった。すべてを奪われて復讐鬼と化した彼は最初の一歩でつまずくが、銃創を冴子(浅丘ルリ子)という女に手当てしてもらい恋に墜ちる。冴子は老社長の妻だったが、寡婦となるとともに財産目当てと疑われ、家を出て海外を周遊していたのだ。冴子の出国への誘いに津田は心を揺らし、一連の事件を追う刑事江草(志村喬)の協力依頼を厳しく跳ねのける。その裏で組織の手先大滝(郷えい治)も動き、津田に詮索を拒み冴子と日本を去れと迫るのだった。しかし、津田は冴子の言葉の裏にある偽りを知り、怒りに身を震わせる。〔89分/スコープ〕[投票]
★2波止場の鷹(1967/日)運送業界での揺るぎない信頼を一代で掴んだ久須見(石原裕次郎)は、傲慢ささえ匂わす自信家だ。ある時吉田(須賀不二男)率いる暴力団に麻薬運搬を依頼された久須見はすげなく断るが、その報復として愛する妹(久万里由香)の命を奪われ、自らも足に重傷を負わされる。事件が暴力団の仕業と勘繰り、協力を求めてきた刑事岩崎(丹波哲郎)をも省みず、相棒の稲垣(安部徹)とともに借金返済に奔走する久須見。彼らの前に現われたバーのマダム斐那子(浅丘ルリ子)は、金融業者の紹介を持ちかける。それは彼女の父井関(小沢栄太郎)であり、久須見に融資のため奇妙な条件を提示するのだった。主題歌は「粋な別れ」。〔79分/スコープ〕[投票]
★4母の身終い(2012/仏)トラック運転手のアラン(ヴァンサン・ランドン)は密輸容疑で投獄された。出獄後も彼にはつまらぬ仕事しか与えられず、実家で母のイヴェット(エレーヌ・ヴァンサン)と口喧嘩を繰り返す毎日をおくっていた。そんな折、アランは母の箪笥に入った書類を見る。それは末期ガンを抱えたイヴェットの、尊厳死の誘いに承諾する証書だった。怒って母に容赦ない罵言を浴びせたアランは、隣人のラルエット(オリヴィエ・ペリエ)の家に居候させてもらう。アランの心の傷は、意気投合した女クレメンス(エマニュエル・セニエ)と愛し合うも、今の身の上を訊かれて激昂、喧嘩別れするほど深かった。だが帰宅した彼は、母の決意が揺るぎないものと知る。〔108分/ヴィスタ〕[投票]
★3続東京流れ者 海は真赤な恋の色(1966/日)流れ者・不死鳥の哲(渡哲也)が高知に渡った。付け狙う殺し屋・二段撃ちの健(吉田輝雄)を相手にもせず、かつて兄貴と呼んだエースの秀(垂水悟郎)との再会を誓って哲はこの地にやってきたのだ。「リラ」という店で踊り子サリイ(松原智恵子)を問い詰めた哲は、瀬川一家の手酷い歓迎を受け酒屋の安太郎老人(嵯峨善兵)に銃創を手当てして貰う。哲は酒屋を手伝って恩を返しつつ、安太郎の息子浩司(杉良太郎)がサリイへの恋心ゆえに瀬川(金子信雄)の子分になっていることを知るのだった。そして、安太郎のもとで働く節子(橘和子)こそ秀の妹と知った哲は、暗雲の中に自ら踏み込んでゆく。秀は再び高知に舞い戻るのか。〔73分/スコープ〕[投票]
★3マカオの竜(1965/日)横浜。ここに宝石ブローカー、マカオの竜(小林旭)が30万ドルを抱いて降り立つ。彼の求めるものは「ヒマラヤの星」と呼ばれる大粒のダイヤだったが、横浜にあるその石は塚田(佐野浅夫)一家の手に渡ったものの、海賊行為を行なう会津(宍戸錠)に奪われていた。それを知らず塚田のもとへ急ぐ竜の前に、会津に利用された娘、奈美(十朱幸代)が現われる。彼女の陽動作戦への関与に竜は気づくが、その哀しい身の上に彼女を救ってやりたい思いに揺れる。一方、クラブのピアニストを装う刑事矢代(小高雄二)、塚田の情婦で会津に密通するリエ(弓恵子)、そして竜の恋人を名乗る香蘭(松原智恵子)の登場で事態は複雑化するのだった。〔白黒・84分〕[投票]
★3ウォールフラワー(2012/米)引っ込み思案な高校生、チャーリー(ローガン・ラーマン)は、授業ですら才能を発揮できず教師(ポール・ラッド)に注意され、付き合いといえば姉キャンディス(ニーナ・ドブレフ)たち家族のみだった。これでは灰色の高校生活になる、と焦ったチャーリーの目にとまったのは、2年年上で国語クラスのムードメイカーであるパトリック(エズラ・ミラー)だ。部活の試合でパトリックの隣席に座ったチャーリーは、意を決して彼に話しかける。フレンドリーなパトリックに加え、その義妹であるサム(エマ・ワトソン)までもがチャーリーを迎え入れ、彼の毎日は輝きを増してゆく。『RENT/レント』のS・チュボスキーによる自作小説の映画化。〔103分〕 [投票]
★3恋するリベラーチェ(2013/米)スコット(マット・デイモン)は親の愛に恵まれず、里親に育てられ動物訓練士の職を得た青年だ。バイセクシュアルの彼が、親しく交際していたボブ(スコット・バクラ)に紹介されたのが、20世紀最高のピアニストの異名をとるスーパースター、リベラーチェ(マイケル・ダグラス)だった。その母親(デビー・レイノルズ)による厳しい音楽家教育のなかで愛情を知らず育ったリベラーチェは、孤独を癒してくれる若者の存在を渇望し続け、スコットとの交流で彼こそは生涯の伴侶と認める。だが、秘書となったスコットはスターツ医師(ロブ・ロウ)に奨められた薬物の副作用で愛に迷走するのだった。マーヴィン・ハムリッシュの遺作スコアが全編を飾る。〔118分〕[投票]