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[あらすじ] 獣人(1938/仏)

冒頭、ゾラの原作の1部がロールされる。「これはジャック・ランチェの物語。先祖は大酒飲みで乱暴者。因果でそれが何代も続くと信じられていた。遺伝子が血を毒に変え、制御出来ない凶悪な行動に駆り立てるのだ。」(次ページからあらすじです)
KEI

 ジャック(ジャン・ギャバン)は機関士だった。その日機関車はル・アーブルに着いたが、オーバーヒートしていた。修理には36時間かかると言われた。彼は久しぶりに養母の家へ顔を出すことにした。駅で、ちょっとした騒ぎがあった。駅長(助役)が、禁止されている犬同伴乗車をした大物を人中で注意したのだ。その大物は怒って去って行った。

駅長は家に帰ると、妻セブリーヌ(シモーヌ・シモン)に「お前の養父、グランモンは有力者だったな。厄介事が起きて、口利きをお願いしたいんだ。」と話をする。妻は少し戸惑うが、明るくOKをする。「じゃあ、パリに行って、ビクトラの家で落ち合う事にしよう。」ビクトラとセブリーヌの死んだ母親は、昔グランモン家の女中仲間で、お互いよく知っていたのだ。

ジャックは養母の家にいた。「お前、最近発作は起きないかい?」「大丈夫だよ。ところでフロール(従妹)は?」「河だよ。」若い2人は好き合っていた。2人で河から野原へ、そして列車が通る土手へ。2人は抱き合う。その時ジャックの頭が真っ白になる。何をしているのか分からなくなる。ゆっくりと、手でフロールの首を絞めていた。突然列車が通り、我に返る―「俺は、何という事を・・・」

一方パリ。ビクトラの家。駅長が先に来た。ビクトラが出かけて行く。やがてセブリーヌが入って来る。「ちゃんと頼んで来たわ。その後買い物に行って、あなたにプレゼント!」と言って、美しいナイフを贈る。その後彼女は、養父から別荘に誘われた、断ったことを話する。

「別荘?お前ホントに好かれている・・・彼の娘かもな。」「えっ、何?」「いや、グランモランは女中すべてに手を出していたと評判だから。・・・冗談だよ。」「男って皆狼だわ」とセブリーヌは言って、「何よ、こんな指輪!」と指からはずそうとする。駅長「指輪?それって、お前、母の形見って言ってたぞ」ハッとするセブリーヌ。「嘘だったんだな。本当の事を言え」と殴りつける。たまらず「16歳の誕生日にもらったの。養父から。」「やっぱりな。お前、あいつの女だったんだろう?白状しろ!」と更に殴り、蹴り、踏みつける。「そうよ!」と泣き崩れるセブリーヌ。それを見ていて、駅長「ちくしょうめ。俺をバカにしやがって!」。彼にグランモランへの殺意が芽生える―「このナイフで。」「おい、別荘行きは何時の列車だ?」「ル・アーブル行き18時20分。」「よし、手紙を書け。その列車の個室で待ち合せ、とな」。

そして、列車での犯行は成功するのだが、ル・アーブルへ帰る途中のジャックが偶然乗り合わせていて、彼らの犯行を目撃してしまう・・・。100分。

仏の文豪ゾラの小説「獣人(1890)」の映画化。本作だけでなく「仕組まれた罠('54)」で再映画化されている。ヴェネチア映画祭の最優秀外国映画賞ノミネート。

(評価:★4)

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