それを目撃し、顔は見えないも彼女に恋人がいると誤解する。自暴自棄になった彼は、難所サント北壁登山に出かけることを決意。何も知らずに友人のヴィゴを誘うのだった。

世界初長編山岳劇映画。サイレント。90分。

監督のアーノルト・ファンクは元地質学者で山岳ドキュメンタリー映画を先駆者としていくつか撮った後に本作を製作。以後「死の銀嶺」等山岳映画を撮り続けた。ディオーティマを演じたレニ・リーフェンシュタールは元バレエダンサーでプロデューサーでもあった。本作が映画デビュー作。「青の光」('32)で初めて監督を務め(ヴェネチア祭銀賞)その後ベルリンオリンピックを描いた有名な「民族の祭典」「美の祭典」('38)を監督した。彼女の伝記は「レニ」('93監督:レイ･ミュラー､ドキュメンタリー)に詳しい。

<注> 今回参考にと幾つかの映画サイトを見たが、その記述に誤りを見つけた。それは２人の主演男優の役名が入れ替わっているという点だ。

（誤）ルイス･トレンカー:[役]Vigo（ヴィゴorフィゴ)→(正):[役]Der Freund(独：友達)

　　　エルンスト･ペーターセン:[役]His　Friend(英：友達)→(正):[役]Vigo

(誤りは顔写真を確認すれば明らか。Vigoの読みはフィゴとも読めるが、Vigor［元気一杯］から名付けたとしたらヴィゴと読むべきか)

尚、上記<あらすじ>では、IMDB（英語訳)版に従って、Der　Freund　を「カール」という具体名にした。