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[あらすじ] オーガストウォーズ(2012/露)

2008年8月8日、ロシアとグルジアの国境周辺で勃発した両国の軍事衝突を題材に、ロシア軍の全面協力を得て映画化。モスクワに住むシングルマザーのクセーニアスヴェトラーナ・イワノーワは、グルジアとの国境付近で平和維持軍の任務に就く元夫から息子のチョーマを両親に会わせたいと連絡が入り息子を行かせる。しかし国境付近でグルジア軍が兵力を集中しているとのニュースに接し急きょ、息子を連れ戻すために国境へ向かう。現地ではいつものことで戦争なんか起きっこないと楽観していたが、グルジア軍が突如侵攻、元夫も死に一人残された息子を救うためにクセーニアは最前線の地へ向かうが…(132分)
シーチキン

原題の「Avgust.Vosmogo」は、グルジア軍と戦闘が勃発した「8月8日」の意味か。

2008年8月8日のロシア軍とグルジア軍との軍事衝突は、双方が相手側が先に攻撃を仕掛けたと主張しており、その真相はいまだはっきりしていない。この軍事衝突は「8月戦争」とも「ロシア・グルジア戦争」、「南オセチア紛争」とも呼ばれている。

またこの軍事衝突の舞台となった「南オセチア地方」は、旧ソ連の崩壊から、ロシアとグルジア両国に分かれた経過の中で、北オセチア地方は「北オセチア共和国」としてロシアにとどまったが、「南オセチア地方」は自治州としてグルジア側になった。

そして1980年代から1990年代にかけて「南オセチア地方」がグルジアからの分離・独立を求めて軍事紛争がおき、それをおさえるために、ロシア・グルジア・南オセチアの3者による「平和維持軍」が置かれていた。

本作では、戦争当時の首相であったロシアのプーチン首相も実名で登場し、グルジアへの侵攻を首相の決断として示唆している。またこの紛争の少し前、2003年にはグルジアでは政変があり、アメリカとの関係が深いといわれる政権が発足している。劇中、「ワシントンの罠だ」というのはこのことを指していると思われる。

こういう背景もあり、本作を「ロシア・グルジア戦争」でのロシアの正当性を強調した「国策映画」とするむきもある。

また日本ではそのことを意識してか、極力政治色を抑えるために、主人公の幼い息子が空想していたロボット・ヒーロー的なVFXを、あえて映画全体の特徴とするような宣伝がされていたようである。

(評価:★5)

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