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[あらすじ] トスカニーニ 愛と情熱の日々(1988/伊=仏)

指揮者アルトゥーロ・トスカニーニがブラジルのリオ・デ・ジャネイロで急遽、「アイーダ」の代役指揮者を務めて、一チエリストから指揮者としてデビューした経過をオペラ演出家でもあるフランコ・ゼフィレッリが映画化。トスカニーニC・トーマス・ハウエルはチェロ奏者としてミラノ・スカラ座のオーディションを受けたが、審査員たちの態度の悪さに腹を立て、自らそのオーディションを降りてしまう。しかしそれがきっかけで、別のオーケストラの一員としてブラジルへ行くことに。それは、子どもの頃、スカラ座で観た想い出の歌手、ナディナ・ブリチョフエリザベス・テイラーとの上演でもあった。
シーチキン

しかも演目は同じヴェルディの「アイーダ」。憧れのオペラに夢をふくらませたトスカニーニが、船の中やブラジルで目にしたものは、ブラジルに依然として残された、厳格な奴隷制であった。奴隷であるがゆえに満足な治療を受けられずに死んでいく人々であった。そしてナディナでさえ、奴隷を雇うことが彼らの生活を保証することになるのだという。過酷な現実をまのあたりにしたトスカニーニは強い衝撃を受け、音楽への情熱さえ揺らいでいく……。

実際にブラジルに残る当時の貴族階級の豪邸や、現役のオペラ歌手も登場し、ホンモノ顔負けの舞台セットを作り上げるなど、絢爛豪華な雰囲気にあふれた作品。

また、劇中トスカニーニの才能にふれたエピソードとして、60曲あまりを暗譜しているという話が出てくるが、実際のトスカニーニは極度の近視でそのために暗譜せざるをえなかったらしい。

(評価:★5)

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このあらすじを気に入った人達 (2 人)りかちゅ KADAGIO

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