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[あらすじ] ガメラ対宇宙怪獣バイラス(1968/日)

地球殖民地化を企むバイラス人だったが、そのためにはガメラが邪魔だった。そこで彼等はガメラが子供好きだという性格を利用し、二人の子供・正夫とジムを人質に取り、手を出せないガメラにコントロール装置を付けて味方に引き入れてしまう。大暴れするガメラと人質の子供の前に地球降伏もやむなしと思われたが、人質の子供達はガメラを救おうと奮闘。その活躍によりガメラは解放され宇宙人の円盤も破壊されたが、それで終わるバイラス人ではなかった! 本作から「ガメラマーチ」が主題歌として登場する。
荒馬大介

 ガメラシリーズもこの作品から外国人の子供が登場するが、これは海外の配給元からのリクエスト。外国人俳優を出すとウケが良いのだそうで、それに答えての出演となった。本作は主人公の正夫・ジム両名ともボーイスカウト所属の少年ということになっているが、これは前年に大映が同団体の記録映画を撮った縁でのタイアップだとか(つまり、その他大勢の少年達は本物のボーイスカウトなのである)。

 とはいえ当時の大映の状況は厳しく、全3作までは一般作と比較しても2倍〜3倍程度の予算を得て製作されていたガメラシリーズだが、本作ではついに一般作並の予算にまで落ち込んだ。湯浅憲明監督もその点では苦心したそうだが、特に工夫を凝らしたのがバイラス星人の宇宙船。5つの球体が丸く繋がった形状のため、1部屋分だけセットを作り、後は小道具と照明を変えてあたかも5つの部屋に見せたのだという。予算が少ない影響で、音楽も大掛かりな編成が組めず、あえて明るい曲調にすることで楽器編成を減らしたそうである。とにかく随所に予算減の影響が出ることとなった。

 また過去作品のライブフィルムが使用されているのは苦肉の作だが、実はこの部分で国内版と海外版とでは違いがある。海外版の方が契約や規則等の関係で、必要な尺数になるまでライブフィルムの部分を長めにしてあるのだ。一時期国内版のフィルムが紛失した為海外版を使用して映像ソフト等が発売されていたが(TVオンエア時もこちらだった)、DVDや一部のLDソフトでは湯浅監督の協力で国内版が再編集されて収録してある。

 なお本作の同時上映作品は『妖怪百物語』で、相乗効果もあったのか映画はヒットした。しかし湯浅監督は同時にこう思ったそうだ。

「またこの予算で作らされるぞ、こりゃ」

 ……その通りだった。

(評価:★3)

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