[POV: a Point of View]
私は宮下順子のファンである
日本映画史上、唯一“ワイセツ”を演じえた女優。A・・・日活ロマンポルノ、B・・・非ロマンポルノ、C・・・まだ見ぬ姿に心ときめかせ。
B | 人魚伝説(1984/日) | 永遠を象徴するかのような青い海と、尽きることのない欲望のごとく噴出する赤黒い血。純白の海女装束は「青の世界」で生を謳歌しまばゆく輝き、「赤の世界」で果てしなき恩讐に染まる。血、血、血。鮮血の女神の化身たる白都真理のなんと神々しいことよ。 | 投票(5) | |
B | 行きずりの街(2010/日) | 暴力装置としての窪塚の軽佻と菅田の忠誠、サトエリの女くさいインモラルぶりと杉本のやさぐれ感、女と母を生きた江波が滲ます秘愛の凄み。仲村の空疎と小西の濃密が融解してゆく道程をピンポイントで補完する役者たちが魅力的。丸山、阪本、仙元のベストマッチ。 | 投票(3) | |
B | 泪橋(1983/日) | 中途半端な松村友視の原作を強引に脚本化した唐十郎の努力は買うが、小説家と劇作家と映画監督黒木和雄の視点がバラバラのまま、過去と現在を行きつ戻りつしたところで健一(渡瀬恒彦)と千鶴(佳村萠)が交錯するはずがない。 | 投票(1) | |
B | 火まつり(1985/日) | 思想に支配されない世界。それは、生き物と山と海が呼応し、肉体と自然と神々の境界が薄れ互いに敏感に反応する世界。その原初的エロスとタナトスで満たされた空間では、自然の摂理が人間の欲と理性を凌駕する。映画的気迫と覚悟が足りないのがやや不満。 | 投票 | |
B | 遠い明日(1979/日) | あの姫田ではなく原一民撮影のせいか、驚くほど神代臭のない素直な作りで、神代偏愛主義者には拍子抜けするほど見やすく分かりやすいのだが、それは長所でもあり短所でもあるという皮肉。当時の三浦友和は、ことのほか素晴しかったという30年ぶりの発見。 | 投票 | |
B | 愛について、東京(1993/日) | 知恵はあるが金も夢もない中国男は、金と力はあるが愛をカタチにする能力のない日本男に、漠たる夢と確かな傷を持ちながら寄る辺(アイデンティティ)を見出せない女を、金のために差し向けるわけだが、するとそこ(東京)にあるのは当然、愛ではなく金なのだ。 [review] | 投票(1) | |
B | 誰がために(2005/日) | テーマを社会問題としてより心情として捕らえようとしているのだろうが、心象風景としての「風」の描写が既視的で登場人物の心を語るには及ばない。抑制の効いた演出手法には共感するも、時おり混じる陳腐なセリフにも興醒。期待を秘めた作家の誕生ではある。 | 投票(4) | |
B | 嗚呼!!花の応援団(1976/日) | そっくりキャラをこれだけ集めた時点で、この映画を作る意義の半分は達成されている。惜しむらくは、富山(香田修)の虚勢や、駅伝における青田(今井均)の爆走がもっと丁寧に描かれていたら、水原、宮下をめぐる心情に艶が生まれ映画に厚みが出ただろう。 | 投票 | |
B | 友よ、静かに瞑れ(1985/日) | 崔洋一監督の持ち味は、骨太な無骨さだと思うのだが、初期の作品にはそれが全て不器用さとなって現れてしまう。形式をなぞりつつ緻密に計算された演出が必要なハードボイルドにおいて、その不器用さは致命的となる。要するにカッコ良くないのだ。 | 投票 | |
B | 夜がまた来る(1994/日) | 薄っぺらな台本で、人を撮らずにカタチを撮っているので映画にならない。これじゃ、やっぱり劇画です。 | 投票 | |
B | 悪霊島(1981/日) | ヒッピー野郎の青春回顧には何の意味もなく、殺人現場の描写にはおぞましさの欠片もない。さらには葛藤の気配すらもない登場人物たちが右往左往するだけでなのだからミステリが成立するはずがない。全ての映画的要素が、ことごとく空回りしている。 | 投票 | |
B | 虹をつかむ男(1996/日) | 映画の多様性に対する配慮は感じるが、エリート意識の裏返しとして観客を見下す出来の悪いイタリア映画のように、情緒に歯止めがかからず「思い」だけが垂れ流されるさまが鬱陶しい。死者に捧げられた映画であるのなら、いま少しストイックであった欲しかった。 [review] | 投票 | |
B | アラスカ物語(1977/日) | いくら顔立ちが似ているからといってアラスカのエスキモー役を夏八木勲や三林京子や宮下順子がやるのだから興ざめ。丹波哲郎の大酋長が出てきたときには場内大爆笑。学芸会のノリであえなく珍品映画の殿堂入り。 | 投票 | |
B | 高校大パニック(1978/日) | 8ミリ版の方がましだとか、8ミリだったら『突撃!博多愚連隊』の方がおもしろいとか、野暮な事は書くまいと思っていたのに・・・・書いちゃった。 | 投票(1) | |
B | 十階のモスキート(1983/日) | ずいぶん期待して観に行って、がっかりして帰った記憶しか有りません。 | 投票 | |
B | 遺産相続(1990/日) | 映画の崩壊。野々村真をキーキャラクターに起用するという破壊の連鎖が佐久間良子や小川真由美をはじめ豪華な出演陣の才能と少なからぬ製作費、そして私の大切な2時間を全て無にしてしまうという悲劇。野々村真に謹んで1点を捧ぐ。 | 投票(1) | |
B | 罪の声(2020/日) | |||
C | 新サラリーマン専科(1997/日) | |||
C | 恋人たちの時刻(1987/日) | |||
C | わるいやつら(1980/日) |
このPOVを気に入った人達 (4 人) | ぱーこ 町田 まご けにろん |