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[POV: a Point of View]
私は日活ロマンポルノのファンである

70年代から80年代。斜陽のどん底で輝き続けた不滅の作品群にふたたび光をあたえたまえ!  A・・70年代前期  B・・70年代後期  C・・80年代前期  D・・80年代後期   E・・2016〜17年(ロマンポルノ・リブートプロジェクト)
A★3白い指の戯れ(1972/日)伊佐山ひろ子のデビュー作だが、このウブで感受性の強い娘といった役どころでは、伊佐山の個性がまだまったく引き出せていなかったとうことが、次作『一条さゆり 濡れた欲情』以降の怪演で判明する分けである。若いスリ集団の奔放さや刹那感もいまひとつ。投票
A★3団地妻 昼下りの情事(1971/日)団地という最も日常的な空間の午後が、実は女たちの秘められた園になる、という発想で世の男たちのスケベ心をかきたてようとした日活ロマンポルノ第一作。内容よりもまずは男としての心根が試される映画。投票
A★3鍵(1974/日)「これから裸になるために、私、この映画出てます」感ありありの荒砂ゆきは、どう見ても古い道徳意識のもとに育ち性を抑圧された良家の婦人などには見えず、悲しいかなロマンポルノの限界と宿命を感じずにはいられない。それ以外は、良くも悪くも神代節。投票(1)
A★3女教師 私生活(1973/日)死にもしない、殺しもしない、殺されもしない、もう決して若くはない女教師の孤独。その存在そのものが密やかな吸引力となり、いつのまにか男を吸い寄せる不気味さ。大都会に潜む自覚せざる磁場を描いて田中登美学が全開。投票
A★3官能教室 愛のテクニック(1972/日)冒頭の幻想シーンで力つきたかのようで、以降は物語優先の中島丈博脚本との相性が悪く窮屈そうに迷走する。シリアスでありコメディにも見えるブレに戸惑いつつも、これまたマジともオフザケとも取れるノーブラ田中真理さんの奮闘と魚類的肢体を堪能する。投票
A★3恋の狩人 ラブ・ハンター(1972/日)ひたすら真摯に〈スケベ心〉を刺激することに全神経を注ぐ山口清一郎の偏執的真正ポルノ演出。それに応える、何とも下品で、これみよがしに淫蕩、淫乱な原英美のセックス演技が素晴しい。対する田中真理の初々しさがひときわ引き立ち可愛らしいこと。 [review]投票
A★3闇に浮かぶ白い肌(1972/日)暗くなるまで待って』ばりのアイディアで一本筋を通す中島丈博脚本はさすが。やたら豪華なセットや重厚な撮影に日活スタッフの意地が滲むもロマンポルノの宿命で男優が非力。白川和子にはもっと憑依が欲しかった。風船顔の山科ゆりが初々しい。 投票
A★3女教師 甘い生活(1973/日)ヤセギスの市川亜矢子先生が裸でクネクネ動くと爬虫類みたいで気分もナニも萎える。投票
A★3やくざ観音 情女仁義(1973/日)神代作品で最も暴力描写の激しい一本ではないだろうか。清玄(岡崎二郎)の暴挙の数々に、その暴力の裏づけとなるべき怨念の深みがみえず田中陽造脚本との相性の悪さを感じる。やはり神代は憎悪ではなく人生肯定のユーモアを湛えた哀歓の人なのだ。 投票
A★3現代娼婦考 制服の下のうずき(1974/日)錯綜する時間軸と大胆な省略、目まぐるしいカメラアングルと強烈なハイキー撮影。そんなアバンギャルド感が全て成功しているとは言いがたいが、真理と洋子の地位が逆転する怒涛の洗車シーンは圧巻。クールで人形のような潤ますみのファニーフェースが印象的。投票
A★3四畳半襖の裏張り しのび肌(1974/日)ほぼ全ての性交が、布団の中でモゾモゾ行なわれるという確信的サービス精神の欠落は、「何も見えなくてもスケベなものはスケベだ!ざまあみろ!」という映倫への挑発ともとれる。劇中映画と「生」を競うかのような精気なき性の闖入者中沢洋の「生」の不気味さ。投票
A★3昼下がりの情事 変身(1973/日)高橋明の猫の孫の手が異様で面白いが、公開時の73年ですら時代錯誤感を醸しただろう青山美代子の俗っぽいいでたちや、ポール・モーリアまがいの音楽が陳腐。結局は、ラスト数分の紙飛行機とナイフのシークエンスが全てで、後はイメージのから滑りの連続。投票
A★3実録白川和子 裸の履歴書(1973/日)主演映画の設定や役柄の大胆素敵なセンセーショナルぶりが、すでに実人生のドラマを超越してしまっている白川和子の生きざまを、実録映画にしてしまうという企画自体が本末転倒では? 想定内の「真実」など、絶頂期のロマンポルノの域に及ばないということ。投票
A★3OL日記 濡れた札束(1973/日)犯罪ものとしても、ポルノとしても華がなく地味すぎ。いくら犯人が美人とはいえない年増OLだからといって、本当に中島葵をブスに撮ってしまう知恵のなさ。勇気がないのか割り切りが悪いのか、セックス描写もおざなりで女性映画としての本筋と一向にからまない。投票
A★3(秘)女郎市場(1972/日)どぎついタイトルに反して、可憐な片桐夕子が(私の知る限りかつ私の好みにおいて)ロマンポル界きっての美乳をプリプリと孤軍奮闘する姿が愛らしい。関取、按摩三人衆、流し目親分ら遊郭客の生真面目なドタバタぶりもバカバカしすぎて不覚にも大笑いする。投票(1)
A★3花弁のしずく(1972/日)基本はメロドラマでありながら、中川梨絵の丁寧で生真面目な熱演(いささか古臭い芝居だが)で文芸ものの風格が漂う。心象ショットやシュールな音(声)の処理に、後に奇才ぶりを発揮する新鋭監督田中登の片鱗と意気込みが見える初期ロマンポルの快作。 投票
A★3濡れた荒野を走れ(1973/日)60年代の残滓引きずる「権力=悪」という念仏のような観念が、娯楽にまで消化されることなく生のまま顔を出す長谷川和彦の青い脚本を、澤田幸弘が力ずくでカタチにしてしまった誉め言葉としての蛮作。取ってつけたようなロマンポルノ用シーンが虚しい。 投票
A★2花芯の誘い(1971/日)「純愛の力」を振りかざしつつ強姦づくし。かと思えば突然ドキュメンタリー風に素人に愛を語らせ、ジェト戦闘機が飛来し脱走米兵まで登場する飛躍ぶり。でも基本は身勝手な男の幻想渦巻く〈とんでも映画〉。この女性蔑視ぶりは、今の感覚ではさすがにアウト! [review]投票
A★2八月はエロスの匂い(1972/日)この前後の作品を観れば分かるが、藤田敏八は状況に根ざした物語の中でしか人間を描くことができない作家なのだ。大和屋竺が作り出した、背景をなくし肉体で思考し浮遊する女と時代や社会に正対できない男、という観念描写がまったくできていない。 投票(1)
A★0セックス・ハンター 濡れた標的(1972/日)
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