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[POV: a Point of View]
剣は無情、人は多情
中華時代劇英雄列伝

◆功夫片との境目が実に曖昧なこの武侠片というジャンル。っていうか区別のしかたがわからんので両方ぶち込んでみた。古装片ともいう。◆A:キン・フー監督、B:チャン・ツェー監督、C:チョウ・ユン監督、D:劉家、E:袁家、F:70年代その他(ジャッキー多いな)、G:80年代、H:90年代以降。 D以下は分割再編するかも。F以下がなんか投げやりだ…。
A★5大酔侠(1966/香港)新派武侠の火付け役。新しい時代が、ここから始まる。 [comment]
A★5残酷ドラゴン 血斗!竜門の宿(1967/台湾)日本以外のアジアで大ヒットを記録した(らしい)伝説の傑作。 [comment]
A★4空山霊雨(1979/香港)三蔵法師の巻物を探せ!(アクション、あんまないなあ…) [comment]
A★4侠女(1971/香港)キン・フー芸術の集大成らしい。カンヌで高等技術賞受賞(なぜか75年)。
A★3山中傳奇(1979/香港)アクションは、ほぼない。『空山霊雨』と同時制作。 [comment]
B★5ブラッド・ブラザース 刺馬(1973/香港)助監督はジョン・ウーです。まんま継承されていますね。
B★5大刺客(1971/香港)『史記』の刺客列伝より。ジミーさんがめっちゃかっこいいのはここら辺までなのでしょうか?
B★5続 少林寺列伝(1974/香港)少林英雄伝四部作のラスト。
B★5上海ドラゴン 英雄拳(1972/香港)馬英貞もの。
B★5片腕必殺剣(1967/香港)片腕もの初作。『獨臂刀』で通っているアレ。もとはキン・フーが撮る予定だったらしい。 [comment]
B★5英雄十三傑(1970/香港)女性の登場人物はゼロにかぎりなく近いです。 [comment]
B★4南少林寺VS北少林寺(1978/香港)五毒もの。
B★4続・片腕必殺剣(1968/香港)片腕もの、続く。No.1はだれだ?
B★4新・片腕必殺剣(1971/香港)さわやかな、片腕もの。これと『獨臂刀』が『ブレード 刀』の元ネタ。
B★4五毒拳(1978/香港)アメリカで人気となり、この後、メンバーはそのままで違う話の”五毒もの”が続く。 [comment]
B★4大女侠(1968/香港)チャン・ツェーの作る、『大酔侠』続編。Dも兼ねてます。 [comment]
B★4少林寺列伝(1976/香港)これぞ、オールスター映画。 [comment]
B★4水滸伝(1972/香港)武侠小説の王道中の王道。主人公は丹波哲郎 [comment]
B★3嵐を呼ぶドラゴン(1974/香港)少林英雄伝第一作。第二作以降が日本で解禁されるかは皆さん次第だ! これは劇場公開作です。 [comment]
B★3続 嵐を呼ぶドラゴン(1976/香港)その生い立ちから、『嵐を呼ぶドラゴン』の後まで。
◆映画史上最初の武打星は40年代の元祖黄飛鴻・關徳興(96年没)あたりになるらしい。本物の洪家拳の使い手でもあった彼の黄飛鴻ものは90本ほどに上るという(89〜95本と資料によって違いあり)。日本では、『スカイホーク 鷹拳』、『ツーフィンガー鷹』、『燃えよデブゴン7』で彼の黄飛鴻が拝める。爺さんだけど。 …◆60年代〜70年代は武侠片の黄金時代。キン・フー(97年没)は66年の『大酔侠』に京劇の素早く華やかな立ち回りや音楽を取り入れ、さらにトランポリンやワイヤーワークを使い、それまでの“達人による立ち回り”以外の要素を映画に取り込むことに成功。彼は今作以降は台湾を拠点とし、独自の世界を追求し続けた。 …◆“陽剛武侠”チャン・ツェー(02年没)の作品の特徴はとにもかくにも“漢”の世界にこだわり続けたところにある。日本の『座頭市』シリーズに影響を受けたという彼の作品は友情、野望、義侠、復讐、残虐、とにかく濃い。ちなみにジョン・ウーは彼の弟子。 そして彼の元からはジミー・ウォングデビッド・チャンティ・ロンチェン・カンタイアレクサンダー・フーシェン倉田保昭など数々のスターが育っていった。 …◆チョウ・ユン作品の特徴は豪華セットに美しい撮影! それらが漂わせる何ともいえない詩情は、彼の作品を他の武侠片と区別し“浪漫武侠”と呼ばせるもととなった。 また彼は古龍作品の映画化を好み楚留香や陸小鳳などのシリーズもの含め20本ほど監督する。 …◆劉家と袁家はともに武術指導出身。劉家が黄飛鴻直系の洪家拳なら、袁家は北京オペラ出身。劉家筆頭ラウ・カーリョンは先のチャン・ツェー監督の武術指導より出発。同監督の少林四部作以降独立し本格派の功夫片を送り出す。 袁家のユエン・シャオティエンは元祖黄飛鴻ものの武術指導などから出発したらしい。そこから一家続々と映画界入り。 …◆70年代末になると武侠ものは舞台をTVに移す。TVでは映画ほど時間と金をかけるわけにはいかないという制約の下、カット多用やワイヤーなどの“いかにすごいアクションをとるか”の技術がここで培われた。TV版武侠もの出身のスターにはアダム・チェンアンディ・ラウチョウ・ユンファなどがいる。 …◆80年代から90年代にかけ、“香港のスピルバーグ”ツイ・ハークの諸作品が大人気。“古装片”という呼び方はこの辺から始まったらしい。お茶の間を通し発展を遂げたやや使いすぎなんじゃないかと思えるワイヤーワークを駆使したダイナミックな立ち回りは“武侠片=飛ぶ”という誤解を生み現在に至る。まあそれほど影響が大きかったということか。 …◆POVタイトルは古龍の『多情剣客無情剣』より。 間違い・漏れの指摘などございましたらお知らせ頂けると大変嬉しいです。
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このPOVを気に入った人達 (5 人)トシ movableinferno 町田 jean evergreen