[POV: a Point of View]
追悼−日本特撮怪獣映画における伊福部昭の軌跡
伊福部昭……特撮怪獣好きの自分にとって、その名前は本多猪四郎や円谷英二と同様の輝きを放っている。いやむしろ、小学生の頃に初めて怪獣映画を観た時、まず心惹かれたのは伊福部氏の音楽だった。中学生の時に「SF交響ファンタジー」を聴き、さらに伊福部節が好きになった。幼き頃にその洗礼を受け、かつ忘れられなかったからこそ、今現在そして将来に渡って特撮好きであり続けるのだろう。今に至る自分の趣味の下地を作りかつ発展させてくれた氏に感謝と追悼の念を込めてこのPOVを捧げます。本当だったら気になる楽曲を全て書き出したいくらいですが、キリが無いので映画の中から1曲だけ選出しそれについて書きます。A=行進、B=畏敬、C=躍動、D=合唱、E=繊細、F=終章。
A | 怪獣大戦争(1965/日) | 怪獣大戦争マーチ:54年のフリゲート艦マーチ、59年の宇宙大戦争マーチから繋がるメロディの完成形 | [comment] | |
A | 宇宙大戦争(1959/日) | 宇宙大戦争マーチ:最初の旋律はゴジラ1作目でも登場済だが、そこからさらに駆け上がるイメージ | [comment] | |
A | 怪獣総進撃(1968/日) | 怪獣総進撃マーチ:2拍子から3拍子と変則的だが、破綻の無い名曲 | [comment] | |
A | 海底軍艦(1963/日) | [comment] | ||
A | 地球防衛軍(1957/日) | 地球防衛軍マーチ:劇中での使用頻度は高いが、後半になるに従ってアップテンポになっている | [comment] | |
A | ゴジラVSデストロイア(1995/日) | スーパーX3のテーマ:前半の変則的なリズムで惹き込ませられる、もはや王道のマーチ曲 | [comment] | |
A | 秦・始皇帝(1963/日) | 戦闘のテーマ曲:この旋律は翌年の『宇宙大怪獣ドゴラ』のクライマックスで使用されている | [comment] | |
B | 空の大怪獣 ラドン(1956/日) | ラドン福岡襲撃:混乱が徐々に広がるのと同時に音楽も変化を遂げ、最後は大破壊へ繋がる | [comment] | |
B | フランケンシュタイン対地底怪獣(1965/日) | [comment] | ||
B | フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966/日) | メインタイトル:恐怖感の強いガイラのテーマから始まり、前作の流れを汲むサンダのテーマで締める | [comment] | |
B | 三大怪獣 地球最大の決戦(1964/日) | キングギドラのテーマ:ゴジラと違い、ギドラのライトモチーフはほぼ不変のまま使用され続けた | [comment] | |
B | 大坂城物語(1961/日) | メインタイトル:壮大な大坂城に流れる、いずれ来る末路を映し出したかのような悲壮かつ重厚なテーマ | [comment] | |
B | メカゴジラの逆襲(1975/日) | メカゴジラのテーマ:重厚かつ冷徹な曲の中に突如として入るフルートは真船桂のイメージか | [comment] | |
B | モスラ対ゴジラ(1964/日) | ゴジラのテーマ:伊福部が本来考えていた“ゴジラのテーマ”はこれ | [comment] | |
B | 地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(1972/日) | メインタイトル:EXPO’70の三菱未来館で上映された映像からの流用。楽曲は噴火をイメージしたもの | [comment] | |
B | ゴジラVSモスラ(1992/日) | モスラのテーマ:64年版では「マハラ・モスラ」だったが、今回は「聖なる泉」を基調としている | [comment] | |
B | 宇宙大怪獣 ドゴラ(1964/日) | ドゴラのテーマ:数ある怪獣へのモチーフとしても特に不気味さが強いのは宇宙生物ゆえか | [comment] | |
C | 大魔神(1966/日) | アラカツマ封じ:打楽器のみという僅かな編成だが、それゆえに土着的であり、音楽的にも現実味がある | [comment] | |
C | 日本誕生(1959/日) | 神々達の笑い祭り:僅かな編成から徐々に盛り上げていく曲調。民俗音楽に詳しい伊福部の真骨頂 | [comment] | |
D | キングコング対ゴジラ(1962/日) | メインタイトル:壮言なファロ島の祈りのコーラスと同時に、それとなくコングのテーマも隠されている | [comment] |
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