最近のコメント 10 |
★3 | 憐れみの3章(2024/英=米) | ランティモスの明快で簡潔な作家性のインデックス。即ち、「概念」(愛、ルール)の奴隷たちによる戯画。「概念」から解放されて手持ち無沙汰な「自由」の戯画。束縛と自由の両極を繰り返し揺れ動き、リバウンド、肥大化する「概念中毒」の滑稽味。概念の喪失、捏造、変性、歪曲、、、こんな既存概念依拠の感想も嗤っている節がある。 [review] | [投票] |
★4 | フォールガイ(2024/米) | メタと小ネタをやり過ぎでグダっているのは否めないが、それを含めて愛おしい。熱い血肉が通っている。落とし前は全て職人仕事でつける。そしてそれは全て職人同士の信頼に裏付けされる、という心意気が本物。クライマックスの痛快さ、確信犯的バカに、予期せず落涙。作り手全ての皆さんに、サムズアップ!
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★4 | 時の支配者(1982/仏=独=ハンガリー=スイス) | 迸る善性が、か細い一本の糸を通じ、時空を超えて宇宙(そら)を駆けて繋がり世界を変える、「めぐり愛、宇宙編」。ファンタジーであってほしくないファンタジー。エンディングには深い祈りが込められており、シンプルながらまごう事なき名曲である。 [review] | [投票(1)] |
★4 | 化け猫あんずちゃん(2024/日=仏) | 山下敦弘!いまおかしんじ!ウヒャヒャと逸る心と真相を隠し、私事だが初めて家族総出で洗礼のために劇場に足を運んだのである。結果はかなり好評だったのだが、私個人としては「洗礼」の意味での狙いは外したかもしれない。要はヘンだがヌルいトトロ+クレしん+湯浅正明という受け止め方以上でも以下でもなかったのだ。いや、その受け止めでも全然いいし、とても面白かったんだけど。 [review] | [投票(1)] |
★1 | 残穢 住んではいけない部屋(2015/日) | どこまで辿っても人間の闇、闇、闇。そしてそれは終わらんのだとこねくった設定で勿体ぶるのだがそりゃそういうもんやろがいとしか思えない。その「奥」がないのは作り手も演じ手も善良過ぎるからだろう。脱ジャンプスケア志向もアイデアの欠如を晒しただけで壮絶に眠い虚無的仕上がり。黒沢清の邪悪、白石晃士のアホなエネルギーが眩しく見える。 | [投票(1)] |
★4 | Pearl パール(2022/米) | 殻の中の「パール」が何故ああなったかという納得感だけでなく、鏡像マキシーンの行末(第三作の落とし前)に思いを馳せさせる重層性が正に続編。そして「やはり」なミア・ゴスの爆発力。「ヒト」の薄皮一枚下で蠢く欲望が、歯と共に突如剥き出しになる鮮烈さ。『インランド・エンパイア』のローラ・ダーンもビックリだろう。 [review] | [投票] |
★4 | 蛇の道(2024/仏=日=ベルギー) | (オリジナル版未見)原版の評判並みに、恐ろしいものを観た感はある。実際、冒頭のノイズ、寒々とした曇天とパリの街並みのシーケンスから始まった胸騒ぎと心の乱れが最後まで止まらず、嫌な汗をかいた。しかし、監督らしい脱臼的な黒いユーモア(?)や都合良すぎる展開がシュールに転回する妙な味もあり、最終的には頭と心に徹底的にイタズラされた感が強い。 [review] | [投票(3)] |
★2 | ゴジラ-1.0(2023/日) | 敗戦のルサンチマンを濯ぐためのゴジラという筋立てに特攻モチーフと山崎貴のポピュリズムが結合するという相性としては最凶の組み合わせ。時勢も踏まえて危なっかしい。いいように勘違いする層が一定以上存在するのが今の日本だ。国は批判しているが特攻自体の批判はしていないように見えるバランスの悪さに頓着しないVFX遊びの無邪気さがまた邪悪で、非常に居心地が悪い。佐々木蔵之介の芝居が激寒。 [review] | [投票(6)] |
★3 | デューン 砂の惑星PART2(2024/米) | じっくりと豊かに流れる「時間」の構築、ヴィルヌーヴの長所が息を潜めてしまっている。セカセカと筋の消化に追われるヴィルヌーヴなんて見たくない。珍しく撮影も悪く、不用意な人物のアップだらけで、巨大なはずの世界がえらく狭い場所に感じる。ツギハギのアクションにジマーの轟音を被せる反復も無造作で、ノーランがスベった時と同じ失望があった。前作の方が遥かに格上。 [review] | [投票(2)] |
★4 | ニューオーダー(2020/メキシコ=仏) | 劇中、結婚式を除けば劇伴は冒頭とラストのみ。冒頭は、「死者だけが戦争の終わりを見た」というタイトルの抽象画をバックに、ショスタコーヴィチの交響曲第11番の一楽章導入。冴え冴えとした空気に滲む流血の予感。ここからすでに破滅の足音が凄まじい。「侵食」の映画。
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最近のあらすじ 5 |
★4 | サイコ・ゴアマン(2020/カナダ) | その名もなき悪魔は、遂に目覚めた。かつて絶大な力を持ち、「暗黒勇士」を率いて宇宙を恐怖で蹂躙したが、ガイガックス星テンプル騎士団ら宇宙会議連合に敗れ、地球の土中深く封印されたのだ。復讐に燃える彼であったが、力の源である秘宝を奪われていた。その秘宝の所持者に彼は絶対服従を強いられるのだが、常人には破れないはずの封印を解き秘宝を奪ったのは、あろうことか、宇宙王者を名乗るクレイジー鬼畜少女ミミだった・・・そして彼はサイコ・ゴアマン(略してPG)と名付けられいいように弄ばれるのであったが、一方で、連合が騎士団の刺客パンドラを放つ。かくして、地球の片田舎の庭先で、宇宙の命運を賭けた頂上決戦の幕が切って落とされるのであった・・・ [more] | [投票] |
★4 | X エックス(2022/米) | 1979年、テキサス。三組のカップルが、それぞれの野心を胸に、自主映画撮影のためにロケ地として借りた農場へ向かった。監督の学生は「芸術」を撮るのだと息巻いていたが、その実質はポルノの域を出なかった。それはともかく、あろうことか、貸主の老人は離れを貸した事実を忘れており、訪問者に罵声を浴びせ、銃を向けた。何とか誤解を解き、撮影を開始するものの、農場の孤絶や荒廃に不穏が高まり、何より女優マキシーン(ミア・ゴス)は、母屋の二階から虚ろながらまとわりつくような視線を向ける骨と皮のような痩躯の老婆の姿に不安を募らせる・・・ [more] | [投票] |
★4 | 続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画(2020/米) | (検閲済粗筋)「米国文化学習」でのTVリポーター(ボラット)の失態で、致命的なイメージ低下に喘ぐカザフスタン。主力産業のカリウムと陰毛の生産は激減、時のトランプ政権からドゥテルテ大統領等錚々たる面々が独裁者クラブに招かれるもお声がかからなかった事態を重く見た政府は、国賊として強制労働に従事させていたボラットを呼び戻す。彼に与えられた密命は、大臣兼ポルノスターの天才猿、ジョニーをペンス副大統領に寄贈し、歓心を買うこと。意気揚々とテキサスの地に降り立ったボラットであったが、程なくジョニーは不幸な運命を辿り、彼の命も風前の灯に。そこで思いついた起死回生の妙案は、家畜たる15歳の実の娘を貢ぐことだった。ナイス!ハイファイブ!
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★4 | THE WITCH 魔女(2018/韓国) | 酪農家の養子で高校生のジャユンは、養父母の窮状を救う資金と自らを蝕む原因不明の病の治療費のため、新進スターのオーディションに賞金目当てで参加。その才色と、ある「手品」が注目を集め、難なく一次審査を通過した。しかし、ソウルの二次審査に向かう車内で謎の青年が接触したことを皮切りに、不審な影が付きまとい始める。彼女を追い詰めた男は「お前を知っている」と迫った。人違いを訴える彼女だったが、それはあの夜ー血の海に沈んだ「施設」から逃げ出し匿われて養子となった、あの地獄のような夜の記憶の断片に関係することのようなのだった。この時既に、彼女の中で蠢く異様な力の奔流を、彼女は抑えようもなくなっていた・・・韓国発のバイオレンス・アクション。 | [投票] |
★4 | スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け(2019/米) | クレイトの撤退戦を経て満身創痍の反乱軍は、老レイアの元で再起を図るも劣勢に喘いでいた。絶望と諦めが蝕む中、とどめをさすかのような情報がもたらされる。「未知の星系から未確認の強力な敵艦隊が動きつつある。16時間後の攻撃開始前に叩かなければ全滅は必至である」と。レイは敵の出所を探るため、レイアを師とする修行を終えぬまま、とある遺物捜索に仲間達と動くが、カイロ・レンがレイを暗黒面に引き入れるべく再び追跡を開始し、彼女自身も、暗黒の玉座に自らが就く幻影に囚われていた。最悪の情報はもう一つ。黒幕は、かつて滅びたはずの最大の敵であるのだ、と・・・そして最後の号令が発せられる。遠い昔、遥か彼方の銀河系で、銀河の命運を賭けた最後の戦いが始まった。 [more] | [投票(1)] |