[コメント] セッション9(2001/米)
のっけからピリピリしている人間関係が、居心地悪さゆえの不安感と緊張した空気を生んでいる。さらに「空気中を漂う見えないもの」が精神と体を同時進行で蝕んでいく、という設定も面白い。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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あとは「妻殺し」までのクダリを、最後まで小出しに音のみで表現するアイディアも、個人的には好き。例のテープを小出しに聞かせるのに並行している感じで(こちらも患者のポートレートのみで、最後まで再現まがいのシーンなかったし)。
しかし、まずは最初に雰囲気、設定ありきで、その後に話がなんとかついていっている、という印象。解釈をそれぞれに委ねるという戦法だと思うけど、それにしてもやや不可解だったり、安易に思える部分があるので、それほど話を深読みしたいと思えなかったのが正直なトコロ。
とは言え、それでも分からな過ぎて気持ち悪かったこと。発見されたハンクが裸ということは、窓際に立っていた服を着たハンクはナニモノ?裸というのが気になるけど、レンガの向こうのロボトミー手術室と何か関係があるのかな?だとしても、やや無駄な謎という気が。ハンク騒動の最中にマイクが「セッション9」を聞きはじめるまでの経緯もやや強引な気が・・・。
しかし雰囲気はかなり浸れる。「ロボトミー手術をはじめとした、常軌を逸した行為が行われていた施設」という設定なんて、あくまで一人の患者自体の特異さで展開する本筋とはあまり関係ない気もするけど、それ位ハッタリかましてくれるのもまた良い(かも)。とにかく、この映画でチラっと横切る人影はなかなか怖い。これは結構大きなポイント(個人的には)。 [3.5点]
(2004/11/14)
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