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[コメント] トーク・トゥ・ハー(2002/スペイン)

オール・アバウト・マイ・マザー』の監督だけあって、様々な愛情表現の描き方はなかなか上手い。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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今まで母親の介護に追われ、恋愛経験もできず、孤独に苛まれる男の決して伝わることのない愛情と昏睡状態になった恋人に向き合えずに戸惑う男の愛情の2つのエピソードを同時並行的に描いた映画。

オール・アバウト・マイ・マザー』の監督だけあって、様々な人々の愛情表現の描き方は上手い。

特に窓から様子を見ていただけだったり、落し物を拾っただけの面識で一目惚れしてしまい事故前も事故後の昏睡状態の女性アリシアへ愛を注ぐという下手したらストーカー犯罪になりえるベニグノの極端な愛情表現を実に自然に表現している。

しかし、『オール・アバウト・マイ・マザー』同様、テーマ性の一体感に乏しいので最後で、ベニグノの自殺という展開に持ち込まれても今ひとつしっくりこない印象が強い。特にこの映画も昏睡状態の患者の介護という医療的なテーマが中盤まで描かれているが、中盤以降はテーマとして持ってきていないのも実に中途半端。エピソード的にもベニグノの愛情表現が前面に出すぎでもう一人の主人公的な存在として描かれるマルコの愛情表現がかなりおざなりになっていものも気になった。

孤独であることに苛まれる辛さ、切なさに孤独の辛さを実感している人なら共感できる部分もあると思うが、全体的にどうにもテーマが中途半端な感じで、テーマ性に乏しい印象が拭えないのが残念。

(評価:★3)

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