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[コメント] 歓楽通り(2002/仏=独)

チラシのデザインに痺れたのだが、予告で嫌な予感。本編で的中。 2003年5月25日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







チラシの魅惑的で挑発的なデザインと「私、恋してるの」と言うキャッチコピー。ストーリーはある男が必死に愛する女性の幸せを願う話ときたもんだ。期待は高まる。予告を見てがっかり。あんまりに予想通りの展開で、結局男がどんなに頑張っても女は惚れた男についていくって感じの予告だった。そして、本編。見事予感的中。がっかり。

娼館で育ったプチ・ルイのマリオンに対する愛は良く見えてくるのだが、マリオンが余りに間抜けと言うか、愚鈍すぎる行動に多少嫌気が差してくる。確かに彼女を演じているレティシア・カスタの魅力は存分に伝わってくるのだが。

しかし、その愚鈍すぎる行動もラストでの余韻の為の演出と思っていたが、一向に彼女は気付かない。確かに男は男で、かなりの問題のある男ではあるが、根は良い奴なのかもしれないし、マリオンだって今まで恋を知らずに生きてきて、プチ・ルイの言葉で恋に目覚め、恋の味を知って恋に没頭するのもよく分かる。いくら、観客(=俺)がプチ・ルイとマリオンが結ばれる事を願っても、プチ・ルイの愛とマリオンの愛は別物であり、結ばれる事は無い。しかし、二人は固い絆で結ばれている。

結局、俺はマリオンにプチ・ルイこそ運命の男と言う事に気付いて欲しかったのだが、映画はその方向に進まない。マリオンは自らを犠牲にしながらも恋に身を焦がす。その姿はマジで「恋している」姿で、愛のパワーって奴なんだろう。

何もかもが上手く行ってラスト、川辺で射殺される男とマリオン。それを見つめるプチ・ルイと彼の少年時代にそっくりの少年(?)。この映画は本当にこれで終わってよかったのだろうか。個人的にはこのラストはあまり好かないが、これでよかったのだと想う。

どうも、簡単に見えて難しい、意味深なラスト。もしかしたらマリオンは死に絶えながらプチ・ルイの存在の大きさに気付いていたのかもしれない。もしかしたら、撃たれたマリオンは、彼のせいで撃たれた事にも気付かず彼を想い続けていたのかもしれない。マリオンは幸せだったのか、それとも後悔していたのか。応えは恐らく、「マリオンは幸せだった」のであろう。だが、プチ・ルイはマリオンの死にゆく姿をどう思って見ていたのか・・・どうも掴めない。

娼婦ではなく、女として男とセックスをする。愛のある行為。そして愛の為にセックスをする。幸せの為に。プチ・ルイも彼女の幸せの為に、自らの自己満足の為に彼女の世話をし、金を稼ぐ。

プチ・ルイの願い、プチ・ルイにとっての幸せ=マリオン(=愛する人)の幸せと言うのは理解できる。マリオンが、相手がどんな男であれ純粋に愛し続ける、愚鈍とも見える愛し方もどうにか理解できる。

だが、何かひっかかる。

マリオンもプチ・ルイの愛に気付いていたはずだし、プチ・ルイも心の中ではマリオンの幸せ以外の何かを願っていたと思う。愛として。それだけど、何かひっかかる。何かわからない。なぜマリオンがあそこまであの男についていったか、、、ってのは、彼女が彼を「運命の男」と思い込んで、今まで知らなかった恋の味に酔っていたからだろうけど・・・じゃ、なんだ・・・何かひっかかる。

うーん、よくわからん。とにかく、ラスト、あのカップルを殺してしまったのは如何な物かと思う。まぁプチ・ルイの純粋な想いと、マリオンの愚鈍すぎる純愛、そして演じるレティシア・カスタの魅力と存在感を味わえただけでも収穫か。。。

・・・・消化不良。イマイチ分からん。

(評価:★3)

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