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[コメント] アラベスク(1966/米)

ポロックが解読した暗号と謎の美女ヤズミンの正体の2つの伏線だけで終盤までストーリーを引っ張るスタンリー・ドーネンの手腕は見事と言う他ない。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







シャレード』系サスペンス映画。

アラブの首領の依頼で彼を狙う組織の男ベシュラビの企みを探ることになった言語学者ポロックがベシュラビに頼まれた象形文字の暗号解読を伏線に様々な組織から狙われるというスパイ映画の色が強く、二転三転するスリリングな展開や組織の手下から逃げるポロックとヤズミンのアクションと言ったサスペンス要素が満載で、ラストでどんでん返しも入れるなど、ちょっと盛り込みすぎる感もあるが、映画としてはストーリー展開がスピーディーでテンポがよくて、わかりやすく、なかなか盛り上がった。

ともかく、ポロックが解読した象形文字が何だったのかとポロックに味方したり裏切ったりを繰り返す美女ヤズミンの正体の2つの伏線だけで終盤までストーリーを引っ張るスタンリー・ドーネン監督の手腕は見事と言う他ない。

見どころとしては、クレーン車に吊るされたコンクリートをかわすポロックとヤズミンのアクションと終盤のヘリコプターからの射撃をポロックたちが乗馬しながらかわすところがなかなか迫力があった。

役者としてはポロック役グレゴリー・ペックはいつもの渋い演技とは打って変わって、結構コミカルな役どころを演じているのはなかなか新鮮に感じられた。『アラバマ物語』と同じ役者とは思えない。ヤズミン役ソフィア・ローレンも神秘的な美女という役どころにぴったりで、様々な態度の豹変ぶりはなかなか上手かった。

サスペンス映画としては悪くないが、中盤の薬物を注射されたポロックが錯乱状態になって道路を自転車で走るシーンがストーリーと関係ないシーンなのに、結構長い時間を割いているのがマイナスだった。

(評価:★4)

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