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[コメント] エノケンの法界坊(1938/日)

エノケンが演じるにしては法界坊は生々しすぎました。ミュージカルで中和しきれなかった。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 歌舞伎の「法界坊」を映画化した作品で、本来法界坊はもっと生臭く、悪人面しているとのこと。そう考えると、何をやっても憎めないキャラを演じるエノケンはミスキャストっぽい。物語自体がコメディにするにはちょっと重すぎるし、どろどろしすぎ。『エノケンの近藤勇』や『ちゃっきり金太』などと較べると、ミュージカルシーンもはじけ足りない感じ。

 とはいえ、歌舞伎の世界を新解釈して明るく仕上げようとしたのは一種の功績だし、人を食ったミュージカルシーンもこれはこれで味となっている。特に幽霊となって出てきた法界坊がラストでウェディングマーチを熱唱するのは圧巻。ここだけは確かにエノケンらしさがよく現れていたな。

 それと、現在残っているフィルムは状態が悪すぎるし、音声も割れまくってた。ちょっと残念な作品だったな。

(評価:★3)

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