[コメント] CQ(2001/伊=米=仏=ルクセンブルク)
映画を見終った人むけのレビューです。
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B級SF映画を監督する事になった青年の奔走を描いた映画。
ストーリーとしてみた場合、前半の主人公ポールの妄想の世界と現実の世界との境界が曖昧で、少々ストーリーの把握に手間取るが、ポールが映画「ドラゴン・フライ」のラストシーンを監督する事になってからの妄想の入れ方は、自主制作映画の製作に行き詰まり、良いラストを撮るように圧力をかける製作者、結婚をせがむ恋人などからのプレッシャーから逃れるための現実逃避のような形で描かれていて、青年の心の葛藤というものが映像からでも十分伝わっていて興味深かった。特に主演女優と映画スタッフという立場ではかなりのギャップがあり、現実的にかないそうにない夢をスランプから逃れるためのポールの妄想として描いているあたりは凝っている。
ラストは様々な解釈ができるだろうが、個人的には「ドラゴン・フライ」を撮る事によってスランプを克服したポールが一番こだわっていた自主製作映画を撮る事を優先したという風に見たい。ただ、あれだけ「ドラゴン・フライ」の製作シーンに固執していたんだから、その後映画がヒットしたのかぐらいは描いてもいいと思うが。
世界観に関しては60年代後半のSF映画をモチーフにした世界観をセット、ファッション、音楽を再現しており結構楽しめる。終盤のカー・チェイスシーンも盛り上がったし、「ドラゴン・フライ」のラストも悪くない。
役者としてはポール役ジェレミー・デイビスはいかにもオタクという感じではまり役。アンジェラ・リンドバルはスタイルもいいし様々なファッションで楽しませてくれたが、キャラ的に映画にあまり関係ない割にキャラが全面に出すぎな感じもする。エロディ・ブジェーズもファッションは似合ってたし、声がカワイイ。しかし重要なキャラの割にストーリーに絡んでこないのか印象度は弱い。
その他「ドラゴン・フライ」の前監督役ジェラール・ドパルデューなどこの映画は重要なキャラの役割が弱いため、ラストでの印象が薄いのが難点。
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