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[コメント] 座頭市鉄火旅(1967/日)

監督したのが前年に『大魔神』を撮り、一番脂ののりきった安田公義というのがポイント。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 座頭市もシリーズ15作となり、いい加減マンネリ化してきたっぽいのだが、そんな中でこの作品は突出した面白さを持つ。

 これはシリーズの初期に話を戻し、座頭市のアイデンティティを問う話に持っていったから。そもそもこのシリーズに関しては演出面については申し分ない出来なのだから、それに見合うだけの物語があれば相当に面白いものに出来るのだ。

 市の仕込み杖が実は業物であり、度重なる戦いにあって、どれだけ杖に頼っていたかと言う事がここではっきりとし、杖無くして自分もないと言う覚悟で、もう人を斬らないと心に誓う。

 ここからひたすら忍耐が続く訳だが、この忍耐の過程を淡々と、しかししっかり描いたところにこの作品の面白さがある。ここでの描写があって、最後の戦いが映えるというもの。耐えに耐え、そして最後の戦いが相変わらずのクォリティの高さなので安心して観ていられる。

(評価:★3)

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