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[コメント] ジャンケン娘(1955/日)

この時代の空気を知るには格好の教材となりえる作品ですね。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 美空ひばり、江利チエミ、雪村いずみの同年代の少女役3人が“三人娘”としての初共演を果たした作品で、1955年邦画興行成績3位というヒットを受け、以降シリーズ化されるに至った。

 本作は一見単なるアイドル映画と見られることもあるし、確かにその側面も否めないが、確かに力を持った作品でもある。

 50年代は邦画が最も好調な時期に当たるが、この時期には女性の社会進出を受けて、元気な若い女性がのびのびと自分の主張を述べるコメディが好まれた時期にも当たる。本作はその空気に見事に適合。ちょっと主張が強すぎる気もしないでもないが、それが叩きつぶされたり、家庭の事情などで、困難を覚えつつ、きちんと成長していく過程が描かれていたことが多かったのだろう。

 実際、この時代は女性の主張は強くなっていったとしても、実際はそれまでの伝統に押しつぶされることが多く、なかなか理想どおりには行かないという現実が目の前にある。実際本作でも、明るく振る舞う三人にも個人的家庭的な制約や定められた生き方がある。物語の背後は決して軽くないのだ。

 そのなかで、それがどんな個人的なことであっても、理想を持った行動によって実際に強くなっていくことの大切さを描いていった。

 そのため、コメディでありながら、その奥に力強さを内包した作品が作られていったのだろう。

(評価:★3)

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