[コメント] ボーダー(1981/米)
国境地帯にやってきた『タクシー・ドライバー』のトラビス風おやじ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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といっても、ジャック・ニコルソンはムッチリした太めのオヤジで、浪費家の妻を抱えて生活に疲れたご様子。悲惨な境遇に置かれた娘を悪と腐敗の渦の中から助け出すとこだけ似ているのだが・・。
舞台はメキシコとの国境地帯で、他にもいくつか映画があるほど格好のシチュエーションなのだが、人間ドラマがいまいち薄くて鋭さに欠けていた。ニコルソンは新居のローン抱えて生活感たっぷりでいいかんじなのだが、悪の側が描ききれておらず、せっかくのハーベイ・カイテルとウォーレン・オーツというクセ者を活かしきっていない。特にウォーレン・オーツが悪の親玉なのにもっと出番くれよ!ってかんじ。
後を絶たない不法入国者と、それを取り締まる国境警備隊。そして双方でつるんで不法入国の手引きをする汚職の実態が、混沌としたやるせない現実を浮かび上がらせた。と思っていたら、最後は勧善懲悪のヒーローが弱い娘を助けて終わっちゃった。できすぎ。つか拍子抜け。
絶望的な貧富の差。不法入国は止まらない。娘一人助けたところで何の解決にもならないのだ。ニコルソンが中盤で「たまには良いことをしてみたかったんだ」みたいな弁解をしていたが、彼自身の心の救済だとしたら、過去に妹や娘を死なせてしまった事件を回想させてトラウマの設定をつくるとか、汚職のとばっちりで死んでしまった友人とかの設定でもあればもっと感情移入できるのだが。 やっぱり最後は苦味の残る締め方をして欲しかった。
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