昔、堂本剛主演で、この手の“繰り返しもの”のドラマがあったが、あの作品は本作からアイデアを借用していたのだろう。つい最近観た『カラフル』（原恵一監督）でも思ったが、とても平凡に思える我々の人生だって、たくさんの輝きに溢れているし、その気になれば毎日がかけがえのない瞬間なのだ、という至極ヒューマニズムなメッセージを本作は伝えている。「２月２日が繰り返される」と言えばいかにも映画的ケレンミに溢れた設定だが、どうだろう、我々の毎日だって多かれ少なかれ「同じような繰り返し」によって成立しているのではないだろうか。主人公のフィル同様、その生活の中で周囲への優しさを失い、自分の欲と惰性にだけ執着していないだろうか。もっと周りにやさしくするんだ。自分の隣人に興味をもつんだ。そうすれば、きっと繰り返しに思える平凡な我々の人生にだって、とんでもない輝きが溢れているはずだ。この映画は、ファンタジーという虚構の姿をかりて、そんな力強い真実に溢れたメッセージを、観客におくっている。