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[コメント] モンテ・クリスト伯(2002/米=英=アイルランド)

役者としてはエドモン役ジム・カビーゼルは相変わらず寡黙で内に暴力性を秘める男を演じさせると上手い。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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仲間の裏切りで牢獄島に入れられた男の復讐を描いた映画。アレクサンドラ・デュマ原作の『巌窟王』の10度目の映画化。

今回の映画化は比較的娯楽要素を重視した作りで、原作を読んでいなくても一通りストーリーを理解できるわかりやすい作りになっていて好感が持てる。また、短い上映時間ながらも仲間の裏切りに遭った男の執念を実にテンポよくバランスのいい仕上がりに描いているのも魅力。

純粋に娯楽映画という基準で観るならほぼ満足のいく出来。

ただ、一人の男の復讐をメインに描きすぎるあまり、脇役キャラの設定にかなり難がある。例えば、エドモンのフィアンセのメルセデスがエドモンを政府に売ったフェルナンに誑かされ結婚してしまうのだが、エドモンが再びメルセデスの間に姿を現すまでにエドモンとの間に宿した子供は15歳という年齢になるのにエドモンやメルセデスやフェルナンいった人物は演じる役者の年相応に見えてしまうので、キャラのバランスが取れていないのが気になる。

また、珍しくガイ・ピアースが悪役を演じているのに、あまり狡猾な素振りもあくどい印象も出せずエドモンが復讐心を抱くような魅力的な悪役に仕上がらなかったのも残念。それと、牢獄での囚人である老人との脱出計画も長い印象で、このエピソードが伏線として生かされるわけでもないので、少々退屈。

役者としてはエドモン役ジム・カビーゼルは相変わらず寡黙で内に暴力性を秘める男を演じさせると上手いし、今回はかなりクールな印象で結構かっこよかった。

(評価:★3)

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