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[コメント] Go!Go!チアーズ(1999/米)

役者としてはクレア・デュバルの『翼をください』のパイパー・ペラーボを思わせるようなアウトローな外面と内に秘める孤独な内面との演じわけが素晴らしかった。
わっこ

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ある種『翼をください』に通じるものがある。

同性愛に対し厳しい保守的な地域で両親に同性愛者と決め付けられ、本人はその気がなかったのに回りに翻弄され、自然と同性愛であることを自覚していく女の子の悲劇みたいなものが描かれている。

前半だけ見ると普通にコメディたが、描いていることは結構辛辣。この映画は同性愛の感情を持った人を他人が世間の常識に合わせて本人の意思に関係なく強制的に更正していこうとすることへのおごがましさを痛烈に批判した映画のように思える。この手の映画なら大抵、悲劇的なオチだが、この映画は同性愛の感情に目覚めた主人公メーガンが自分の信念を貫き通して、ラストで恋心を抱いたグレアンに最後の愛の告白することで、グレアンの気持ちを開かせる展開は感動的。

同性愛を扱った映画としては前向きで好感が持てるラストだった。ただ、同性愛者を差別する保守的な考えの人を批判している映画の割には、ラストで同性愛に再び目覚めるのがグレアンとキップ・パルデュー演じる男の子だけなのがちょっと拍子抜け。その場にいた同性愛を更正された生徒全員が同性愛に戻るぐらいの徹底さが欲しかった。

ただ、メーガンが更正キャンプで学院長にグレアンと愛しあっていることが発覚する理由が、グレアンを愛していた他の仲間の嫉妬心からの告白であるところが普通の恋愛映画と同じように平等に描いている感じでよかった。また、更正キャンプのやり方に刃向かっていたグレアンがメーガンとの同性愛の発覚と、両親からの援助がなくなるのを恐れて、怖気づいてメーガンを裏切ってしまうあたりもなかなかよく描けている。

役者としてはグレアム役クレア・デュバルの『翼をください』のパイパー・ペラーボを思わせるアウトローな外面と、内に秘めた孤独な内面との演じわけが素晴らしかった。

(評価:★3)

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