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[コメント] 小さな中国のお針子(2002/仏=中国)

情熱に突き動かされるままに欲し、吸収し、動かざるを得なかった3人の、避けることができなかった青春の物語。
ムク

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ルオの獰猛で野蛮な、情熱的のこもったくちづけ。目を奪われた。譬えようもなく魅惑的で官能的だった。 マーの静かで優しい愛情。繊細でいながら決して崩れることのない強さが印象的だった。

ルオもマーもお針子も、ただ欲した。抑圧された知識を。気持ちを。未来を。 自らのできること、欲することにいそしみ、成長し、変化していった。 その変化の結果が別離だったが、それは皆が皆、精一杯尽くした結果で、恐らく避けることのできない変化だったのではないかと思う。

時間を経て、お針子は去り、村は沈み、ルオも妻を向かえ、皆変わっていった。 その中でただひとり、繊細さと優しさを洗練させた形で持ち続けていたマーに、思いの違いと変わらないものの救いをみた。

とても美しくて、残酷で、切ない物語だと思う。

(評価:★4)

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