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[コメント] ダウン(2001/米=オランダ)

世紀のクソ映画。監督は何を思って作ったのか意味不明。面白く無すぎて面白かったとも言えるが、話のネタにしかならない無意味映画。 2003年2月16日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







アメリカは自由の国、そしてチャンスに恵まれた国と言われる。しかし、こんなバカ脚本を映画化できるほどチャンスに恵まれて、自由な国だとは思ってもみなかった。

監督は現代のハイテクに制御された社会を痛烈に風刺でもしようとしたのか知らないが、何もできていない。B級ホラーどころか、ナオミ・ワッツが出ていなければ今頃ビデオ屋の片隅で新作C級、いや、Z級ホラー達と肩を並べて陳列されていただろう。確かにこのB級っ気溢れるプロットは面白い。しかし、中身が全く面白くなければただの駄作。

まず冒頭のマンハッタンの夜景。めちゃくちゃ綺麗。カメラが「ミレニアムビル」に近づいて行く。その綺麗な夜景のバックに流れる音楽。いかにも宣伝どおりのパニックホラーを期待させるオープニングだった・・・・・が、なんで望遠鏡で覗きしてるんだよ!しかし、その後警備員二人の会話がユーモア混ざりのFワード連発でなかなかいい雰囲気で、いかにも楽しめそうな予感がしたが、一瞬で崩された。

どれだけパニック状況に陥ろうとも、決してジョークを言うのをやめない警備員。いや、アメリカ人。脚本家よ、お前は緊迫感を演出したいと思ってるのか?この頭の悪いユーモア連発の台詞回しで。酷いにもほどがある。

そして、整備会社が登場。元海兵隊らしい。その後の展開を見てもわかるが、ほとんど設定が生かされていないし、あの若さにしてなぜに除隊したのか理解不可能。あんな仕事するよりもっと楽に生活できると思うんですが・・・・。そして彼らはビルに到着し、屋上に上がり機器をチェックするが・・・・ヒッチコックの映画を見ているのかと思いました。なんてチープなセット。背景が絵って丸分かり。

そして、さらにFワードの嵐が続き、エレベーターは異常なし。この辺りでは、俺はまだ許していた。その後の展開によると・・・・

しかし、期待はあっけなく崩された。このクソ映画に。

緑の髪に染められた盲目のおじさん。店員は「エロ親父への罰」と言っているが、お前がその後訴えられるんじゃないのか、と聞きたい。まぁ死んじゃったから関係ないんだろうけど。

警備員がエレベーターに殺されるシーンはなかなか良かったが、その後ビルが封鎖。整備会社が点検している時、トイレにナオミ・ワッツ登場・・・ってどうやって入ったんだよ。

さらにその後話は進み、なぜかNYを失踪するバカガキ。ガキの一人がエレベーターに吸い込まれた!俺はこの映画は「幽霊エレベーターの恐怖」だと思っていたので、ここでは納得できた(描写に恐怖などなかったが)が、その後の展開でエレベーターは人工知能のチップと判明。えっ?チップがエレベータを操作しているからって、人間を吸い込めるんですか?

少年は結局ビルから落ちて「自殺」と断定されるんだが、ビルの窓は暑さ12mmあったらしい。劇中でも言われていたが、どうやったらそんな窓を体当たり一度で突き破れるんですか?

しかもその後、警察の記者会見をやっていたのはビルの外。どうでもいいけどあそこって少年が落下した場所からほんの数メートルのでしょ?そんな所で記者会見すんなよアホ警察・・・

そしてナオミ・ワッツはビデオを整備工の一人に見せるが・・・「そう、以上に早いの。」「ありえない!1.9(だったっけ?)秒なんて」ぉぃぉぃ・・・そんな速さで上昇したら、その後の展開でもあったけど床抜けるんじゃねーのか?しかもビルから落下させなくてもショック死してるんじゃないのか?

と、この地点でもの凄い突っ込みの量が頭に浮かぶ。

その後二人は整備工の相棒にビデオを店に行くが無視される。二人は車に乗って話しながら「あいつの様子は変だ」「腹減った」と意味不明な会話をして、友人の心配もせずに夕食。凄い友情だな。

そして、車の中で話していたが、「ビルの地下に秘密の放射能施設がなんたら」とナオミ・ワッツが言うのだが、その返答に「知るか、そんなもんスティーブン・キングに聞け」と返す。そういう話だったらトム・クランシーの方がベターかと・・・

ビル内の幼稚園みたいな所のおばさんも、妙に幼児虐待雰囲気だして観客に存在アピールしてるけど、登場に何の意味も無いという脚本の粗。

そしてエレベーターの急上昇でビルの屋上からエレベーターが飛び出す事故(?)発生。大統領は「テロだ」と言う。どこにエレベーター使ってテロするテロリストが居るんですか。

ついにクライマックス。特殊部隊まで出動。なぜかスティンガーミサイルまで装備。特殊部隊はこういう「ツインタワーの事もあるしな」。ん?この時ツインタワーテロの後なんですか?その割りに何度か写ってましたが、そのツインタワーとやらが。

ナオミ・ワッツは、なぜか本物の整備工を荷台に隠して、整備工に扮してビルに潜入を試みる。なぜかすんなり入れる警察。その後検問で捕まり、なぜかビル内に連行され、なぜかビル内の一室に、なぜか一人で閉じ込められる。閉じ込めるなら見張りぐらいつけろよ。つーかその前に追い出すか、警察署に連れて行けばいいだろ。

そういえば荷台を開ける時に電話がかかってパソコンおたくが「今度はイルカの脳じゃないんだ」といいナオミ・ワッツが「えぇ!?」と驚くが、その後チップの正体は明かされないという陳腐さ。

そしてエレベーターと整備工の最期の戦い!元海兵隊だけに頑張る。やっとここで設定が生かされるが・・・思えば元海兵隊の割りに体が細いな・・・・

そして、ついに心臓発見!なんだこの心臓は!と思ってしまうほどわけの分からない物体。ドライバーで突き刺す突き刺す。どうやったらチップから心臓が生まれるのか意味不明。

考えてみれば何のためにビルのエレベーターにチップを装着したのか意味不明。

さらになぜエレベーターだけ誤作動を起こすのか意味不明。

と、疑問が浮上する中、スティンガーミサイルを強奪して吹き飛ばそうとする主人公。なぜか政府のお偉方が登場し、なぜか事件の裏まで熟知している警察の指揮官。

そして、なぜかワイヤーが手足のように動き、なぜか政府のおっさんの足に絡まり、なぜか主人公まで連れて行かれる。そしてナオミ・ワッツがちょうどいい所でスティンガーを渡し、主人公は至近距離で撃つ!

なぜか無傷の主人公。なぜか局部的にしか破壊されていない壁。

ちなみにこのスティンガーはヘリを撃ち落すためにビルに持ち込まれていたような・・・・あの威力でヘリが落とせるのでしょうか・・・

そしてラスト。病院のエレベーターを緊急停止させてラブシーンでジ・エンド。

病院のエレベーター止めたら他の人が迷惑なのでやめましょう。

しかし、思うのだがなぜあれだけ「安全に関しては問題ない」と言い張っているのに、エレベーターには監視カメラついてないんでしょうか・・・

さらに突っ込ませてもらうが、エンドロールの曲。最低やな・・・

B級映画にはB級映画の限度があると思う。科学的に「ありえんだろ!」と思う事を思いっきりやって楽しませてくれるのがB級映画。バカ丸出しで楽しませてくれるのがB級映画だと思っている。

しかし、いくらB級でも、下手くそな脚本なら、BでもBになりきれないと思う。

この映画は本当に最低。見終わって脱力感しか残らない。恐怖も笑いもなく、ただナオミ・ワッツを追いかけるための映画。そういう意味では成功かもしれないが、この映画はB級映画のようにバカ丸出しではないのだ。

会話は安っぽく、笑えないユーモアを連発し、緊迫感もなく怖くない演出。バカ丸出しの警察。

救いようのない駄作。本年度ワースト1の候補作と言っても過言ではない。こんな映画に期待させられわざわざ劇場で見た自分が情けなくなってくる。

ちなみに、脚本も監督も同じ人。そりゃ、このレベルの脚本なんて誰も映画化したくねーさ。

(評価:★1)

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