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[コメント] 卒業白書(1983/米)

今になると、「こんな時代もあったんだね」で済んでしまいますが、当時はこれが格好良かった時代でした。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 脇役ながら『アウトサイダー』(1983)で存在感を見せたクルーズの主演第一作で、悪ガキ集団と揶揄された”ブラッド・パック”の他の面々から頭一つ抜きんでた存在であることを見せつけた作品で、『フェリスはある朝突然に』(1986)と並び、80年代を代表する青春映画とも言われる。

 出来そのものは悪い意味での80年代典型的なノリで、軽さとセックスが青春の爆発として受け取られているが、はっきり言ってこのノリはとうていついて行けなかった。それでも周囲はみんな楽しんでいたのが不思議と言えば不思議なのだが、そう言う時代だったんだろうな。先頃観返す機会を得たが、やっぱりこのノリは異常じゃないか?としか思えず(でも評価はちょっと上がったんだけど)。

 本作は公開後、一年くらい経ってからテレビで観たのだと記憶しているが、なんか凄く腹が立った…というか、妙に脱力した覚えがある。

 丁度この作品が公開された年、私自身が日本で丁度青春まっただ中。私の青春なんて、周り中がみんな馬鹿に思えて周囲との攻防にしか無かったのだが(当たり前の話だが、馬鹿と言う人間が一番馬鹿なのだが)、そんな自分との対比で凄く腹が立った…いや、“腹が立った”というのは不当か?今から考えるなら、“なんて羨ましい”の裏返しだったのかも。

 まあ、今とすれば、「こういう時代もあったんだな」とは思えるし、そう言う意味で当時のノリを知るには格好な素材だとは思う。70年代と80年代の青春映画とはここまで変わるのか。と知るためには是非観て欲しい。腹が立ったとしても(笑)

(評価:★2)

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