[コメント] クール・ドライ・プレイス(1999/米)
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妻と別居し、息子と二人暮ししている男の家族ドラマ。
最初は『クレイマー・クレイマー』のような父と子の家族ドラマを軸にし、中盤、別居中の妻ケイトが現れてからは、主人公ラスと新しくできた恋人のベスとケイトとの三角関係ドラマを展開していたが、ラスがダラスで弁護士の新しい仕事を見つけると今度は息子のカルヴィンをケイトに預けるという展開から再び『クレイマー・クレイマー』のような親権問題を進展させるという、何とも王道をいった展開。
ラストでラスがカルヴィンを突き放すことが出来ずに再びカルヴィンと暮らし始める展開もありがち。親子ものとして見ると、親子のドラマが中盤ないため今ひとつラストでの感動が弱いが、展開は悪くない。恋愛ものとしては、ラスがケイトやベスをどう思っているのかという心情はよく描けているが、ケイトやベスの心情にはあまりあてられていないので、ラストでラスがベスとやり直すところも印象が弱い。
少なくとも、ベスは終盤でラスにカルヴィンといた方が本当は幸せだとアドバイスするシーンがあることを含めるともっと心情を描いて欲しかったところ。それとケイトが別居した理由が映像から今ひとつ読み取れないのも気になった。別居してから他に好きな人ができたのはわかるが、別居した理由にまでは触れられていないし。また、ケイトとラスが結婚したきっかけも描いて欲しかったところ。ベスの弟役でデボン・サワが出ているが、今ひとつ映画の中では存在が薄く、ラスとベスとの恋愛のサポート役として活躍して欲しかった。
役者としてはラス役のヴィンス・ヴォーンは顔は強面のなのに、コミカルな演技をしたりしているところはなかなか面白い。カルヴィンとふれあうシーンも自然で素晴らしかったが、その反面カルヴィンを怒るときがリアルすぎて、強面の顔が災いしてしまった印象。ケイト役モニカ・ポッターは役の重要度が低いせいか、印象が弱い。ベス役ジョーイ・ローレン・アダムスはラスのサポート役としてはいい演技だったが、もっと彼女をメインにしてもよかった気がする。カルヴィン役のボビー・モートは子供らしいかわいさがある分、演技に深みを与えていた。
総評として、話がオーソドックスな仕上がりなのでラストのオチが目に見えてしまうのが残念だが、話自体は爽やかな展開で純粋に楽しめる。
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