[コメント] 戦場にかける橋2 クワイ河からの生還(1989/英)
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クワイ河に架ける橋を描き、忘れ得ぬ名作として仕上がった前作『戦場にかける橋』から30年。今度は一転。敗戦の色濃い日本軍が捕虜たちを日本に連れていこうとした歴史的事実を踏まえての続編。当時の宣伝力はたいしたもので、「名作再び」と言った気もしたのでわざわざ劇場に足を運んで拝見。当時は本当の田舎に住んでいたため、これ一本観るだけで往復3時間と駐車代まで合わせてかなりの金額がふっとんだもの。それだけに絶対失敗が無いように。と意気込んで臨んだもの。
しかし、得てしてこう言う意気込みにあふれた時と言うのは、カスつかまされることが多いもの。本作においても、激しい失望感を味わった。
ただ、改めて今考えるに、そこまで酷い作品ではなかったかもしれない。とは思う。当時起こった事実を事実として淡々と描いた。と言う意味では欠けた歴史の補完にはなっているだろう。ただ、埋もれていたと言うだけあって、本当にどうでもいいような話が延々と続くために盛り上がりに欠け、群像劇としても一人一人の個性が感じられない。結果本当に淡々としただけの作品になっていた。
ここで描かれている捕虜の自主性というのは、残酷な収容所所長に立ち向かうというだけで、それ以上の存在感がなく、救出劇も全部他人任せ。これはリアルと言えばリアル。だけど観てる側には盛り上がらないことおびただしい。
それでも敢えて本作を続編として製作したのは、多分前作で描写された英・米・日の軍人たちの国民性を描こうとしてのこととは思う。それにイギリス人でありながら西部劇を多数作っているマクラグレン監督だけに、いかにもイギリス人、アメリカ人と言った人たちの情景は描かれているし、これまでのハリウッド作品に数多く描かれた「変な日本人」の描写が極力抑えられているのだけは評価出来る。
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