[コメント] 奴らに深き眠りを(1997/米)
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ダッチ・シュルツ演じるティム・ロスが恐ろしいほど存在感を発揮している。彼はこういう役は本当にハマるよね。人を馬鹿にしたような表情と冷酷なまなざし。目だけでこんなに力強い演技をする役者って他に知らないです。それなのに動きがすごく滑稽!決して相容れる事のない要素を彼は持っていて、そういうところがいつでも私の心を鷲掴みするんだよね、この人。ラストの死に様がまたかっこよい。彼のプライドをかけてトイレなんかでは絶対死なない。苦しい顔なんて絶対見せない。最後まで涼しげで冷酷な笑顔を絶やさなかった彼に、鳥肌が立ちました。
ラッキー・ルチアーノ演じるアンディ・ガルシアも顔に張り付いたようにニヤけた笑いを続け、手の内が読めない謎の男を巧く演じていたと思います。何事にも動じない男っぷりが素晴らしかった。『モブスターズ』も是非観てみようと思います。
バンピー・ジョンソン演じるローレンス・フィッシュバーンは上記二人に少々食われていた気もするけど、やはり表情がとても良かった。柔らかい笑顔、硬い笑顔、それらを巧く使い分けて心境の変化を演じていたと思う。最初はモーフィアスに見えてしょうがなかったのが、徐々にキレたギャングに見えてきて良かった。
コメント欄にも書きましたが、この映画、私の中では地味に存在感が大きいです。派手な演出もなく、映像技術を駆使している訳でもなく、ただただ人間の演技力にのみ頼った、純粋な映画だと思います。CGを駆使して人間の想像力を具現化した素晴らしい映画も沢山あるけれど、生身の人間の卓越した演技力に酔う映画もやはり素晴らしいと思います。
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