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[コメント] 愛は静けさの中に(1986/米)

溝の理解を深めるための過程として観るべきなんだろうな。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 脚本は大変面白いし、これまで作られてなかった設定の目の付け所も良い。なんせヒロインが聴覚障害に加え、トラウマによって心を閉ざしてるという重い設定なので、とても重厚な物語となる。言い方は悪いけど、これはまさしく賞を取る必須要素を兼ね揃えた作品だとも言える。

 ただ、それで素直に本作を良作と言えないものが私の中にはある。

 おそらく本作が評価される最大の理由は、聴覚障害を持つ人がどれだけ大変だかと言うことにあるのだが、なんとなく本作を見ていると、健常者が手を差し伸べて、おおらかに受け止めることで幸せにしてやるという押しつけがみえてしまう。それは単純に私がひねくれてるだけなのかも知れないけど、少なくとも『ジョゼと虎と魚たち』(2003)とかを観た後で本作を見ると、その上から目線がうざったく感じるようになってしまう。

 更に、物語が重すぎる上に、例えば笑わせる演出があるとか、ほっとさせる部分があるとかの精神的な逃げ道を用意してないので、どうにも重いだけで終わってしまう感じがして、観終わって全くすっきりしない。

 マトリンの演技を観る以外に観る楽しさがないのがなんとも。

(評価:★3)

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