作家志望が集まってそれぞれの作品にアドバイスし合う模様を収録したのを、本で目にしたことがあります。そしてそのメンバーの中で、賞の応募結果が最も悪い人の作品はこういったものでした。しょっぱなから「小学生の息子が母親と近親相姦を行っていた」ではじまっていました。他のメンバーからは「ドロドロしすぎ」「時代設定を変えたら雰囲気が変わるかも」といった反応がありました。そして書き直したものが「時代は江戸時代、城内で母親と息子が近親相姦を行っている」からのスタートでありました。今度の反応は「時代を変えただけなのに、さっきと違って良い意味でエロチックです」というものでした。その人は入賞経験者でありプロの作家でした。　既に聡明な読者の方々には私が何を書こうとしているか、見当がついたことでしょう……上記の内容はまさしく、この映画作品そのものなのです。素人が無いアイデアをひねり出して人を楽しませようすると、どうしてもこういった形になるわけです。しかしゾンビ３は底辺の映画なりにまだ楽しめた映画でありますので、前述したプロの作家は決しておせじを言ったわけではない、誠実な方であったことが証明されたわけです。