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[コメント] 監獄ロック(1957/米)

本作の評価はプレスリーの格好良さに酔えるかどうかにかかります。私は、酔えませんでした。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 “キング”の異名を持ち、未だに熱烈なファンが減らないという不思議な魅力を持ったロックスター、プレスリー。彼は歌だけでなく多くの映画にも出演しているが、その中で最も出来が良いとされているのが本作。プレスリーの歌と踊りがふんだんに用いられているのみならず、他の作品と較べて本作はかなり暗く荒んだ雰囲気に溢れている。プレスリーの実像に最も近い作品なのかもしれない。アナモフィック・レンズと65ミリフィルムを使用した初のパナビジョン作品でもある。

 ただ、いくら出来が良いと言っても、人間の描き方という意味であれば、邦画は既にこの時代でもこのレベルを軽く凌駕していたし、今観てみても「古くさい」としか思えないのが残念。それにプレスリーになんの思い入れもない身としては、単にナルシストで格好付けのキャラが自分を格好良く見せるために演技してると言う具合にしか見えない。どうにもそこが鼻につきすぎて素直に楽しめず。

 テレビ放映の際には腰のくねらせ方がセクシーすぎてカットされたという逸話も残る作品である。

(評価:★2)

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