[コメント] ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還(2003/米=ニュージーランド)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
語るべき部分がたくさんありすぎるので、よい部分と悪い部分を端的に列挙していきます。
よい部分
その1 登場する建物のデザインがとにかく素晴らしいです。今回の主戦場であるミナス・ティリスやミナス・モルグル、一つの指輪が鍛えられたサンマス・ナウア、モランノンの黒門等々、原作を何度も読み込んだ読者の想像をも完全に超越する出来栄えの良さです。
その2 異形のものの動きが非常に滑らかです。ナズグルが乗る翼を持った獣や、ペレンノール野の合戦で大量投入されるじゅう(巨大な象)、キリス・ウンゴルのシェロプ、カタパルトを動かすトロル。実際には存在しないものを創造するのがCGの醍醐味ですけど、こんな奴らが本当にいるじゃないかと錯覚するほどです。
その3 驚異の物量投下作戦。黒の勢力と白の勢力が激突するペレンノール野の合戦は空前絶後の大迫力です。自分も今から合戦に参加するかの如く心臓が高鳴りました。映画の醍醐味である巨大なスクリーンで上映されるのにふさわしいスケールの大きさです。
悪い部分
その1 やっぱり距離感が感じられない。上映時間の制約があるせいか、拠点から拠点に向かう道中がばっさりカットされています。ゴンドールの前線基地(オスギリアス?)からミナス・ティリスまでの距離感が変だったり、苦難の連続である滅びの山までの道程があっという間だったり、中つ国の広大さが感じられません。
その2 指輪の仲間以外の面子の扱いは総じて軽いが、ゴンドール王室の人間が特にへぼすぎる。ファラミアに全然見せ場がないし、なんでしょうか、あの聡明で名高いはずのデネソール2世の腰抜けっぷりは・・・。ゴンドール王室の見せ場は全部ボロミアが持っていっちゃってます。
その3 原作の重要エピソードがとにかくごっそり抜けている。もうこれはしょうがないんですけど、サルマンと蛇の舌が1ミリたりとも登場しないし、フロドがホビット庄を去っていく理由もあれでは全くもって舌足らず。クライマックスで飛び込んでくる大鷲の存在について、最後まで言及がなかった等々。言い出せばきりがありません。完結編というより、4時間10分あるという「王の帰還 SEE」の短縮版といった感じさえ受けました。
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