[コメント] オトコのキモチ♂(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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結婚前の独身パーティで婚約者の従兄弟の女性と寝てしまい、二股関係になってしまった男の奔走を描いたコメディ映画。
独身パーティで寝た女性が実は婚約者の従兄弟だったという展開からは、自分の従兄弟と寝たことを知った婚約者と従兄弟との間で主人公を巡ってバトルを繰り広げ、主人公はただただそのいざこざに巻き込まれるという展開のドタバタ色の強いコメディ映画を期待してしまうのだが、見事に裏切られた。
キャラ的に、主人公ポールと寝てしまった婚約者の従兄弟ベッキーは、ポールが彼女のことを婚約者カレンの従兄弟であることに気付く前からすんなり身を引き、元彼氏が主人公に腹いせに乱暴しに来るかもしれないとわざわざ忠告したりするなど、かなり善人系のキャラとして描かれている。そしてカレンの方もポールの行動に疑惑を持つも、それ以外はどこまでも彼のことを信じる純情キャラでなんか拍子抜け。
そもそも、この映画はポールがベッキーと一緒に寝てしまったことをカレンに知られたくないために必死で嘘をつき続ける展開なのだが、カレンに関係がばれそうになる部分で笑いを取りたいのなら、カレンにばれそうになるシーンを作るとか、ベッキーをもっと意地悪なキャラにして二人の関係をカレンにばらそうとするとか、カレンにしてももっと恐い一面のあるキャラにして、ポールを脅すようなシーンを作るとか、他にも方法はあったと思うのに、この映画は、ポールが主に二股関係がカレンにばれた場合を想定した妄想で笑いを取ろうとするので、映像的にもテンポが悪く今ひとつ盛り上がりに欠ける。
それがこの映画の特徴なのであろうが、前半ならまだしも、後半も同じスチュエーション、同じ演出を使って笑わせるようではさすがに飽きる。
正直、ヒロイン役でコメディ映画で演技を慣らしてるセルマ・ブレアとコメディ出演は珍しいジュリア・スタイルズということで、映画にはもう少し期待したが、演技的にはどちらもおとなしめで印象が薄い。ポール役ジェーソン・リーもマヌケな主人公ぶりはよかったが、コメディ俳優としてはまだ独自のスタイルを確立できていない印象。
映画としては、主人公の二股ラブ・コメディを期待するには、かなりがっかりさせられる内容かもしれない。
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