[コメント] 嗤う伊右衛門(2003/日)
いい役者をこれだけ揃えて、なんちゃって時代劇をつくるなんて、ああモッタイナイモッタイナイ・・・
原作から入っては、映画を見る姿勢としてはどうかと思うけど、原作を読んでいなくては理解できない部分も多く、やっぱりこの映画を見るのは京極夏彦のファンが多いと思うので、全くの別物とは考えられないわけです。
原作はある意味「現代的解釈」かもしれないけど、時代背景等、かなり資料を集め、当時の江戸町屋、武家屋敷をリアルに紡ぎだしていたと記憶しています(友人に借りて数年前に読んだきりなので、うろ覚えではありますが)。なのに、まるで舞台劇(舞台監督だからでしょうかねえ)のようなかきわりの画面に、汚く作ったつもりの嘘臭いどぶ、嘘臭い沼、嘘臭い屋敷・・・極めつけが、悪代官の客間に座った巨大な花器。この花器から根っこから引き抜いてきたのか、というくらい大きな紅葉や松が枝を張り、人間が避けて通る・・・これが美しく見えるのは舞台だけ。げんなりでした。
せっかく役者さんたちはいい味を出していて、キャラクターとして立っていたと思うのに、邦画にありがち、セリフがぼそぼそと聞き取りにくいし、仕方なくボリュームを上げたら、効果音がいきなりドカーン!! ・・・カンベンしてほしいよ。その昔、一番最初に劇場で見た邦画『青春の蹉跌』で桃井かおりがむにょむにょ言ってて、邦画も桃井も大嫌いになりました。その思い出が甦っちゃって。
何もかもがわたしの好みではなかった、でも役者さんのがんばりに2点つけます。
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