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[コメント] 48時間(1982/米)

いろんな意味でかっちり噛み合った作品で、オーソドックスなアクション映画としては間違いなく良作です。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 エディ=マーフィのデビュー作。元々ボードビルの名コメディアンだったマーフィは一発目で主役を得、更に本作もスマッシュヒットを記録。

 作品のストーリー自体にはさほど語るべき部分がない、いわばオーソドックスな作品なのだが、主役のマーフィの話術で魅力溢れる作品となった。デビュー作で自分の魅力を全て出せた作品に出会えたのはマーフィにとっても幸運だったし、これによって“知る人ぞ知る”から“みんな知っている”存在にもなれた。

 ヒル監督もその辺はよく分かっていたようで、のびのびとマーフィに語らせる一方、アクション部分はしっかりと締め、硬軟合わせたメリハリの利いた演出をしている。今から思うと本作こそがヒル監督にとっては頂点だったのかも知れない。アクション映画ばかり撮ってはいたが、これまでは基本的に主人公は寡黙な人間ばかりだったし、コメディ部分も少ない監督だったのが、本作はずいぶん毛色が違っている。

 後、意外な巧さを見せたのがノルティで、おいしいところをみんなマーフィに持って行かれつつも、しっかりサポートしており、逆にそれが面白い魅力へと転換していた。こういう役は帰って難しいと思うのだが、なかなかの芸達者ぶりを見せている。

 後は設定だろうか?白人とアフリカ系のバディ・ムービーはそれまでにも『手錠のまゝの脱獄』(1958)などが作られていたが、この辺は大体パターンがあり、コンビは最初いがみ合ってばかり。互いに人格を認めず、“必要悪”の関係が、一つの目標に向かって突き進む内に本物の友情に変わっていく。それを極端に外すことなく、主人公のウェイトをマーフィの方に持って行くことで、作品自体の魅力を演出できていた。

(評価:★3)

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