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[コメント] 黒船(1958/米)

西部の男が突然日本に放り込まれ…『ラスト・サムライ』よりも違和感がないのは何故?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 珍しい、アメリカで製作された、本当に日本を舞台とした作品。このパターンはかなり数が少なく、今まで作られたのを考えても、『007は二度死ぬ』(1967)(ギルバート監督)、『ザ・ヤクザ』(1974)(ポラック監督)、『ブラック・レイン』(1989)(スコット監督)と本作くらいか?数は少なくても、一流どころの監督が作っているのが特徴か。一応本作は5ヶ月の間、日本ロケが行われたと言うことで、そこそこ描写は変には描いてなかったのは評価できる。

 更に本作は主役を西部劇の代名詞ジョン=ウェインが演じている。貫禄のある彼のこと、アメリカ人の代表としては申し分ないが、やってることはやっぱり西部の正義の人だった。どんなに困難にあったとしても、自分の主張はあくまで通し、表情を崩さない…というか、弱音の顔は見せない。見事なタフネスぶりで、いつの間にか物事は解決…って、やっぱり西部の男だな。

 そう考えてみると、本作は史実ではなく、ウェインという人物を通したエキゾチック・ドラマと見るのが正しいのだろう。

 それと、どうしても気になるのがヒロイン役の安藤永子。日本の女性は常に一歩引いて。と言うイメージが先行したのだろうけど、その行動はどう見ても歯がゆいばかり。悲惨さを語らせるなら、やっぱりハリウッドでは駄目だったし、逆に強い女性を描くんだったら、行動ではなく芯で描いて欲しかった。

 貴重な映画だというのは間違いないので、機会があったらご覧になることをお薦めする。

(評価:★3)

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