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[コメント] ギャングスター・ナンバー1(2000/英=独=アイルランド)

ギャングスター役ポール・ベタニーの内に暴力性を秘める寡黙な男の演技ぶりは徹底されていてなかなか怖かった。
わっこ

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自分のボスを罠に陥れ、ギャングの頂点に登りつめた男のあらましを描いた映画。

ギャング映画としては、前半の主人公ギャングスター(ポール・ベタニー)が独自のスタイルを貫くギャング、フレディ・メイズ(デビッド・シューリス)に対する強い憧れが上手く描けている。それだけに後半、ギャング・スターがフレディ・メイズが一人の女性カレン(サフロン・バロウズ)と恋に落ちたことをきっかけに、フレディやカレンに嫉妬心を抱き、ギャングの頂点に君臨していたフレディを罠に陥れようと狡猾な手段に出るところはなかなか面白かった。

フレディがカレンを愛するほどギャングスターの中で憧れだったフレディへの理想が徐々に消えていく過程も丁寧に描かれていて、オープニングでギャングの頂点まで登りつめたギャングスターが罪を擦り付けて牢獄に入れたフレディの出所に動揺している様子も説得力があった。

それにしてもポール・ベタニーの内に暴力性を秘める寡黙な男の演技ぶりは徹底されていてなかなか怖かった。それだけに年老いたギャングスターを彼が演じなかったのはこの映画ではマイナスだったように思う。他のキャラは役者本人がそのまま老け役に挑んでいるのでどうしても、年老いたギャングスター役のマルコム・マクダウェルが年相応に見える分、映像的なバランスを悪くしてしまっている。なので意図的だったとしても監督にはぜひポール・ベタニーにそのまま老け役を演じさせてほしかった。

助演ではフレディ・メイズ役のデビッド・シューリスのカレンを労わる演技がやさしさが画面を通して伝わってくるぐらい上手かったのが印象的。

(評価:★3)

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