[コメント] すっ飛び駕(1952/日)
物語云々より、これほど存在感を持つ役者がいないと成り立たない作品だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
歌舞伎の世界では有名な河内山宗俊を主人公にした作品。これまでにも山中貞雄による『河内山宗俊』(1936)があるが、この人物は自らを僧侶と名乗りつつ、暴力的な人物で、ゆすりたかりで生活していたような人物だったらしい。でも、そんな人物が義に厚く、人のために平気で命を賭けるってところが侠客として受け入れられているようだ。
歌舞伎とは元々傾く(かぶく)から来ているそうで、真っ当に生きている人間ではなく、アウトローを主人公にしたものが多い。そんな意味で本物の侠客たる河内山宗俊は格好の題材だったのか。
そして侠客映画というのをいくつか観ていると分かってくることもある。
基本侠客を扱った作品は物語が単純に出来ている。そして物語の可否は、燃える転会を作っていれば良いというものではなく、主人公の存在感が何よりも大切と言うこと。主人公が存在することだけで画面に締まりが出て、主人公が動けばそれだけで画面に動きが出る。かつてはこういう人ってたくさんいたんだよなあ。この作品の大河内傳次郎なんて、どんな勝手をやっていても、それで全て正しい行為をしているように見えてしまうものな。特に大河内の場合、豪快な笑い声が良い。存在感の塊みたいだ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。