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[コメント] テールライトは眠らない(1999/カナダ)

タイトルだけ聞くとカー・レース映画を想像するが、実際は麻薬密売計画に巻き込まれた兄を助けようとする妹の姿が描かれた人間ドラマである。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







タイトルだけだとカー・レース映画みたいだがストーリー的には麻薬密売計画に巻き込まれたマリファナ所持者の兄を助けようとする妹の姿が描かれた人間ドラマである。

内容的には中盤まではストリート系カー・レースを絡ませているので、後半の麻薬の製造工場を舞台に兄を助けようとする妹の奔走が中途半端な印象。というより本来は麻薬密売計画のエピソードがこの映画ではメインのはずなのに麻薬工場に向かうまでの展開に青春ドラマな要素とカー・レースを絡ませてしまった事でテーマが曖昧になってしまった印象。

それと主人公はどうみてもブレッキン・メイヤー演じるコールだし、話もコールのエピソード中心なのに兄を助けようとするアンジーのエピソードを最初と最後に描いているのかがわからない。そもそも麻薬密売のエピソード自体がこの映画ではあまり必要性のあるような描写がないので、ラストの展開もしっくりこない。その後アンジーの兄や計画を持ちかけた女性イヴがどうなったのか説明されないのも不親切。

後、登場人物もそれぞれ目的は麻薬密売とは関係ないが行動が身勝手。アンジーは兄を助けるためならどんな無茶な事にでもコールを利用しようするし、車がかなり酷い状態でも走らせようとする。コールも途中で麻薬密売の計画をだしに車の修理費をイヴに貢がせようとするだけでなくアンジーを裏切ろうとしているのにラストでアンジーを助けようと麻薬密売計画をぶち壊すという善意行動に出ているのでキャラが掴みづらかった。他のキャラも今ひとつ特徴というのが見えてこず、何をしたいのかがはっきりしないので行動が身勝手な分感情移入しにくい。

映画としてみると途中まで青春ドラマのようなロマンティックな作りなのにラストでやっていることはサスペンス映画に近いので映画のテーマを麻薬密売計画の阻止なのかコールの姿を描きたいのかをはっきり決めて作って欲しかった。青春ドラマとしてなら音楽の使い方も含め、まずまず楽しめるだけに残念なところ。

ただ、女優陣はアンジー役タニヤ・アレンの子供っぽいキュートな笑顔とウェンディ役デニース・リチャーズのお色気バンバンの軽い女ぶりはなかなか印象的だった。ブレッキン・メイヤーも主役としてはまずまず頑張っていたと思う。

(評価:★3)

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