[コメント] 丘の家のジェーン(1989/カナダ)
映画を見終った人むけのレビューです。
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別居してしまった両親を元通りにしようと奔走する少女の家族ドラマ。
ストーリーや演出だけでなく、キャラ設定などあらゆる部分が『赤毛のアン』と似ている。まあ監督と原作者が『赤毛のアン』と同じなので無理もないが。
主人公ジェーンが別居してしまった両親を仲直りさせようと奔走するところはなかなかよく出来ているが、それにも関わらずこの映画でラストが感動的でないのは、登場キャラに魅力が感じられないからである。
この映画の主人公ジェーンはあまり自己主張しない大人しい性格なので、後半で両親と一緒に住みたいという願いが深刻に見えずキャラの魅力に乏しい。その点では『赤毛のアン』の方が主人公に個性があって優秀だった。ちなみにそのせいかも知れないが、役者としてもジェーン役マイロン・ベネットは主役のわりに印象が薄い。
また、本来ジェーンのサポートになるはずのヘプシバやジョディにろくにスポットが当てられずに話が進むので彼女らの存在が非常に中途半端なのも難点。特にジョディはジェーンの後を追うシーンまで作っているのだがらもう少しジェーンのエピソードに絡ませてほしいところ。ヘプシバの場合、ジェーンの願いを叶えるというかなり重要な役割なのに、中盤まで出番すらろくになく、やっと出番が回ってきたと思ったら、もう力を使い果たして危篤の状態になっていたいう感じ。
それと、『赤毛のアン』だと悪人キャラにもちゃんとフォローがされているのに対すると、この映画の悪人キャラは最後まで悪い人のままでフォローがされていないところのも残念。
役者としてはサラ・ポーリーが気が強く、やんちゃなジェーンの親友ジョディを好演。ジェーン役マイロン・ベネットの演技も霞むほどであった。正直、ジェーンの話でなければ彼女が話の中心人物となっていたといっても過言ではない。『赤毛のアン』で素晴らしい演技を見せていたヘプシバ役コリーン・デューハーストもなかなかいい味を出している。
映画としては、ジェーンの母親の実家でのエピソードなどどうでもいいので、その分ジェーンの両親が結婚したきっかけとか両親を再び結び付けようとするジェーンの奔走に力を入れてほしかった。
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