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[コメント] イバニエスの激流(1926/米)

特撮は手作りに限る。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ガルボの渡米第一作主演映画。

 物語として言うなら、本当に普遍的なメロドラマで、別段これと言って特徴がある訳で無し。はっきり言えば私が苦手とするタイプの作品でもある。

 でも、本作の面白いところは、アメリカで作られた作品だという事になろうか。このタイプの強い女性を描く作品はヨーロッパや日本ならともかく、この時代のアメリカでは極めて珍しい(と言うか、あと50年はこう言った意味での“強い”女性を描くことが出来なかった)。はっきり言えば、アメリカの映画が女性に求めていたものとは全く違った“強さ”を見せてくれた作品とも言える。

 それは結局ガルボというヨーロッパ人女優を迎えることで初めて可能となった訳だ。

 そう言う意味ではガルボというキャラ以外にはあんまり見所が多くない作品だとも言えるのだが、もう一つ、少なくとも私にとっては本作は楽しいシーンがあった。他でもないタイトルとなっている激流のシーンなのだが、このシーンは相当に金のかかった特撮技術が用いられている。当然この当時のものだけに、相当にチャチなものには違いないのだが、何というか“生の迫力”というものを感じさせてくれた、大変壮大なものに見える。

 この作品に限らないのだが、当時の特撮は映像に質感があったな。CG全盛になると、こっちも頭から「CGだろ」と思ってしまう分、軽く感じてしまう部分があり、その意味でこの時代の特撮を観られただけでも眼福と思える。

(評価:★3)

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