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[コメント] 王立宇宙軍 オネアミスの翼(1987/日)

「これダメな作品〜!」と一刀のもとには切り捨てにくい、製作陣の熱意が画面からひしひしと伝わる作品。
ゆーこ and One thing

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 作画技術の異様ともいえる高さや、小道具に費やされたディテールへの精細なこだわりには本当に感心しました。このレベルの高さは日本のアニメーションの中でもベスト5に入るんじゃないでしょうか。あまりのすごさに鳥肌が立つほどです。

 しかし、登場人物の内面描写は半端じゃなく薄々です。無気力の固まりだったシロツグがリイクニに出会って、彼女の中に存在するどんなものに心を動かされて、宇宙飛行士を目指そうとしたのかが皆目見当が付きません。

 この部分は作品の核ともいえる非常に重要なシーンなので、しっかり描いてくれないと物語のに心をゆだねることが出来ません。

 最初は冷ややかだった王立軍のメンバーがシロツグの熱意に感化されて、夢物語のような計画にどんどんのめり込んでいくわけですけど、シロツグから彼らの冷たい心を溶かすほどの熱意が噴出しているように思えません。

 それとシロツグの熱意をバックアップする、いわば裏の主役と言ってもいい王立軍のメンバーの存在感が薄すぎです。作品を観終わったあとに、全然彼らの名前が頭に残りませんでした。

 ただし、戦闘の真っ最中に完成したロケットが空へ飛び立っていくシーンには、拳をぎゅっと握りしめて感動しましたけど。

(評価:★4)

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