[コメント] ドランクモンキー 酔拳(1978/香港)
大人の想像力をかきたててくれるものは、身近にそう多くは存在しない。その中の一つに酒がある。
酒と武道の神秘を混在させたことで、欧米には創造不可能な類の強さの源を掘り当てた。騎士道精神をモチーフとして、欧米版燃えよドラゴンを創造することはまだ出来たかもしれない。しかしこの映画に似たものを作れた可能性はほぼ無いに等しいのではないだろうか。
酔八仙の紹介文句を読み上げるシーンで流れる音楽は、酔いがまわったときの意識混濁感を表現するのに適切な選曲といえる。酔って体が真っ赤になっている姿はいかにも潜在能力が引き出されているような視覚的効果を生み、フェイフォンのかつぐ酒樽はサイズが大きく重厚な黒も相まって、重そうであり強力な鍛錬効果を生みそうな説得力が出ている。ありとあらゆる小物が強さの幻想を修飾する役目を担っており、こういった細かい部分はあながち無視できない。
そしてこの映画は道教的世界観を匂わせる。燃えよドラゴンのような、いかめしい感じだけが中国の「道」ではない。道教は滑稽かつ奇想天外な世界観と感じる。そういった厚みある土台あってのコミカルさなので、決して馬鹿らしくはならないのだ。
(評価:)
投票
| このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。