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[コメント] ステップフォード・ワイフ(2004/米)

キッドマンはもう少し役を選んだ方が良いとは思います。キャラの巧さにストーリーがついて行ってません。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)、『硝子の塔』(1993)のアイレ=レビン原作によるサスペンス・コメディ。ハリウッドでは本作は大変好まれるらしく、映画では二度目。他にテレビムービー化もされており、繰り返し映像化されている。

 アメリカは本質はともかく、表面的に“健全的な”社会を目指している国家であり、それを皮肉に捉えるのが映画というものだから、多分この素材自体はこれからも繰り返し用いられることになろう(まあ、現代ではその“健全さ”が見えなくなってしまっているのも事実なのだが)

 実はこの主題は私も好き。私は悪夢を題材とした映画が大好きなのだが、それは、今観ているこの世界が実は虚構であり、その奥に真実が隠されているという主題にとても惹かれると言うことでもある。子供の頃は常にそう思っていたし、それを見ないで済むことというのは、一種の安心感をもたらすことでもあるのだから。それをめくってみることを夢想しつつ過ごしたことを思い起こす。

 そう言う意味では本作では大変好みの素材。コメディ色が強すぎて、“悪夢”って感じじゃないし、物語もかなり早い時期でオチが分かってしまうのがなんだけど、その辺は製作の方も割り切っているようで、キャラのぶっ飛び方と笑いの要素を強めたのが本作の最大の強味かも知れない。

 実際ここに出てくるキャラはみんな揃ってぶっ飛んでる。中でも凄まじいのはクローズとウォーケンの夫婦…よくこんな組み合わせを考えたもんだ。濃すぎるよ。勿論キッドマンの巧さは折り紙付き。様々なシーンでそれがよく分かる。最初の自信に溢れた姿が、落ち込んで精神的な危機にある姿に一気に変わる時と言い、ステップフォードで自信を付けようとして痛々しく開き直る姿と言い、非常にキャラが立ってる。

 ただ、そのキャラ立ちにストーリーがついて行ってないのが最大の問題か。

(評価:★3)

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