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[コメント] 盗聴作戦(1971/米)

コネリーは脱ボンド出来なかったけど、それ以上にウォーケンを発掘できたことで評価されるべき。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ルメット監督による怪盗ものを扱った作品。盗みの方法やひょんな事から瓦解していく作戦など、物語性は高いのだが、どこかとぼけた演出が味のルメットが監督することで、一風変わった、妙にスタイリッシュなところと泥臭いところが混在したような作品に仕上がっている。それがルメットの味なのだが、今回に関しては、その演出は多少裏目に出たかな?泥棒というか、強盗のシーンは妙に緊張感が無く、逆に間延びしてしまった感じ。むしろ前半の計画を練っていたあたりの演出の方が上手く仕上げられてた感じ。物語は面白いのだから、もうちょっとスピード感が欲しかったな。最後も結構あっけなかったし。アニメの「ルパン三世」に雰囲気は比較的近いかもしれない。

 本作では脱ボンドで新しい役を模索していたコネリーの挑戦作でもあったが、実年齢に近くして年齢を上げた設定にしたのも、キレを足りなくした理由かも。実際本作観るときは、コネリーのアクションを期待したのだが、実際にはアクションらしきアクションが無いので、かなり肩すかしを食った気分にさせられてしまう。

 しかし、そのコネリーを差し置いてもの凄い存在感を見せているのがウォーケンだろう。役柄としてはまだまだ若く、見習いと言った設定なのだが、彼の存在感は見事に際だっており、この人が出てくるだけで画面に締まりが出てくるよう。これが本格デビューだそうだが、なるほど後の活躍がよく分かる存在感だ。

 ところで本作は原題『THE ANDERSON TAPES』を『盗聴作戦』に変えたわけだが、実際に盗聴されるのは主人公達の方だし、盗聴はほんの一部。むしろ包囲戦の方が主眼なんだから、あんまり内容に即した邦題じゃないな。

(評価:★3)

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