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[コメント] ヴィタール(2004/日)

なんだか微妙だ。『鉄男』ほどのエネルギーを求めては居ないけれども、本作は限りなく塚本映画らしいのだけど、塚本映画らしくない、そんな印象を受けた。 2005年3月8日劇場鑑賞。
ねこすけ

**ネタバレ注意**
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全体的に今までとテイストの異なった印象を受けた。ただ何か、あまりに人間的になってしまった、と言うか、そこから都市、或いは人工と言った類の物がなくなり、あくまで自然に向かって進んでいる所に違和感を禁じえなかった。本質的なテーマは、恐らく違っては居ないのだろうけど、何か違和感が・・・

それは塚本監督が新しい事を試みている証拠なのだろうし、第一、それは『六月の蛇』でもある程度行われていた試みだとは思う。でも、本作では人間たちを圧迫する存在が無い気がした。あるとすれば「記憶」なのだけど、それはあくまで脳内の存在であってあまりに内的。「内」が「内」を圧迫する。

でも、俺が塚本監督に求めていたのは、もっと外的な要素が内面を圧迫する様な物であって、それはやっぱり記憶等と言う類ではない。本作にそれらが登場しない訳ではない。だけど、それらのイメージに対する執着が、過去の作品ほど感じられなかった気がする。

いや、敢えて執着しなかったのだろうね。それはそれでいいのだけど・・・俺は物足りなかった。

余談だけど、ラストシーン。あれは『ワンダフルライフ』な感じに思えたのだけど・・・未見だから何とも言えないのだけど、ちょっと拍子抜けな気がした。

ただ、次回作を期待するには十分な出来で、本作に不満を持っても、やっぱり次回作に期待してしまう俺が居る。頑張れ塚本監督(オチ

(評価:★3)

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