[コメント] 緋文字(1972/独=スペイン)
少女の特異な神秘性が悲壮感を薄めたが、それ以上に爽やかさを残して印象的。
ヴェンダースらしさが感じられないが、それが良かったのかも。人物の長回しや理屈っぽいセリフがない。その分、海などの情景が浮き立った。
母は美人で、娘も可憐。迫害されながらも、確固とした意志を貫いており、悲壮感よりも頼もしいかんじ。しかも娘は別の次元に生きている。この少女の神秘性が映像美との相乗効果で、作品を並以上に押し上げた。
カトリックの閉鎖的なコミュニティが異端を迫害するという、同じような題材の『クルーシブル』を思い出した。あちらはモロに魔女狩り裁判で空しく悲しい結末だった。同じ新大陸の開拓民を描いたのに、こちらはドイツ製でわずかでも希望を持たせるラストなのが面白い。
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