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[コメント] 女吸血鬼(1959/日)

新東宝の誇る珍品の一本。と言っても新東宝は珍品ばかりとも言えるけど。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 この作品の価値と言うと、一言で言ってしまえる。これは天知茂を観るためだけの作品である。

 天知と言う役者は、かなり特異な位置づけにある男優だが、それもこれも、この人は“濃すぎる”のだ。顔は言うに及ばず、立ち居振る舞いが全体的に芝居がかっていて、この人が登場すると、それがどんな作品であってもこの人が中心になってしまう。

 この人を使う場合、主人公にするか、敵役にするかしか使い道がないし、しかも相当くどめの作品でないと使えない。芸域が狭すぎるのだ。だが、その芸域にぴったりする役を得たならば、水を得た魚のように生き生きと伸びやかな演技を見せてくれる。

 本作は確かに物語と良い、演出と言い、大した作品とは言い難いが、天知の存在感がその安っぽさに見事に適合している。もうこれだけで十分。何せ一応主人公はいたとしても、全部天知がかっさらってしまっているのだから。

(評価:★3)

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