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[コメント] スクープ・悪意の不在(1981/米)

どこが「悪意の不在」なんだ?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ハリウッド映画には不思議な風潮があり、FBIとかCIAを悪者に仕立て上げるパターンが多い。映画人はリベラルを旨とし、権力を信用してないことの現れだろう。

 そしてこの話はFBIがどのように無関係の人間を犯人に仕立てるかを細かく描いたものとなっている。要するにマスコミを上手く利用し、情報操作によって大衆に犯人を信じさせるという方法。

 マスコミの力がどれだけ強いかを示すと共に、一度大衆によって真実とされてしまったことを覆すことがいかに難しいかを示している。

 その設定は結構面白いのだが、これが妙に薄味になってしまったのは、「何を今更」というところだろう。この作品が出来る前であっても実はこのパターンは低予算アクションでは当たり前に作られており、それをわざわざ大作として作る必要性があまり感じられない。いや、少なくともその程度で落とし込むこともあり得たのだ。

 でも低予算作品とは違い、その辺を丁寧に描いているので、追いつめられていく過程がリアルで良かったか。それに永遠の不良青年ポール・ニューマンが相変わらずの不良ぶりを見せているのも良し。この人はこういう役を演じないといかんよ。

(評価:★3)

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